リミックスが制作の日誌になる
カスパー・ビョーク(Kasper Bjørke)は、自分のリミックスの仕事を「制作の日誌」にたとえる。「Heaven」のニコラス・ジャー(Nicolas Jaar)版では、ビョークは曲を渡す側にいる。日誌を語る人の曲が、別の人の仕事の材料になる。
別の曲で試したことが、自分の曲へ戻る
『Remix Crusades (2007–2013)』の公式曲目では、「Heaven」のジャー版は二曲目に置かれている。1 ビョークは、自分がリミックスするときには、その時期に受けた影響が仕事に表れ、ときにはそこでの音やアイデアが、自分のシングルやアルバムの作曲にも作用すると語る。2
日誌という比喩では、作風を一つの固定した特徴として探すより、いつの仕事なのかが大切になる。似た音を使うことだけでなく、ある時期の試みが後の自作へ続く、時間の関係を本人は語っている。
渡す側から、受け取る側へ
この盤の二つの方向は、「Lie Down In Darkness」のエッセイで扱った。リミックスは既存の曲を材料に別の形を作る仕事だ。「Heaven」では、ビョーク自身がその材料を渡している。
出典・注
[1] Kasper Bjørke / hfn music, Remix Crusades (2007–2013)。公式曲目の二曲目「Heaven (Nicolas Jaar Remix)」。
[2] hfn music, Remix Crusades (2007–2013)。ビョークのリミックス一般談。同じ紹介文は[1]にも掲載されている。制作の日誌と自作への作用は本人の一般的な経験で、「Heaven」のジャー版の工程を示す発言ではない。