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2019年7月4日 追加

The Finishing

Stavroz / The Ginning ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 3 分

B面の、とても長いソロ

スタヴロズ(Stavroz)の公式サイトは、2013年の『The Ginning EP』をバンドの早い躍進と呼び、それはおもにB面の「The Finishing」のおかげだったと書く。テナー・サックスの惹きつけるソロが主役の曲だという。1 ソロを吹いたサックス奏者ネイサン・ダームス(Nathan Daems)の公式サイトの経歴は、二人の友人から頼まれた仕事として、こう書く。

"to record a very long solo on their minimal house track"(彼らのミニマル・ハウスの曲で、とても長いソロを録ること)2

どちらも作り手の側の記述で、バンドはソロをB面の主役と呼び、奏者は頼まれて録った長いソロとして振り返る。

二人と、二つの楽器

公式サイトによれば、スタヴロズは東フランダースで出会った四人組で、はじめはエイスブラント・デ・ヴィルデ(IJsbrand De Wilde)とヘルト・ベアザール(Gert Beazar)がDJとして活動していた。1 EPのBandcampの紹介文は二人を、ともにサウンド・エンジニア(エイスブラントはライブ、ヘルトはスタジオ)で、バルカン風の音楽を作りたかった二人組と紹介する。3 EPは2013年5月28日に出た6曲入りで、この曲は8分2秒だ。3

紹介文では、表題曲はギタリストのマックス・ホンケリンクス(Max Honckelinx)を軸に組まれ、「The Finishing」は、リズムの宇宙とダームスのサックスとの対話だとされる。サックスは最初のスタジオ録音から残したものだという。3 同じ年の6月、nss magazineのアンジェロ・ヴィトーロ(Angelo Vitolo)も、この曲をデジタルの音とダームスのサックスのリズミカルな対話と書いた。4 言い回しが近く、同じ紹介文から出た可能性がある。

ソロを退かせた版(紹介文による)

同じEPには、この曲のリミックスが二つ入る。紹介文によれば、パウエル(Powel)はサックスの「声」を退かせて曲の構造を組み直し、ヴィケン・アルマン(Viken Arman)はリズムの型を作り替え、ベースに新しい次元を加えた。3 紹介文の言う通りなら、原曲の主役とされたソロを、リミックスの一つは退かせたことになる。

経歴によれば、ダームスはゲント音楽院で5年間ジャズを学び、ソプラノからバリトンまでのサックスとフルートを吹く。自身のバンドBlack Flowerを率いる。2 ベルギーの音楽サイトVI.BEは、彼がバルカン音楽やトルコの古典音楽などに通じていると紹介している。5

12年後の盤

2026年9月9日、バンドはこのEPをレコードで出し直した。紹介文は、発売から12年後の再プレスとし、両面の曲に「Ambient Tool」と題した版を一つずつ加えた。6 2025年、When We Dipの取材でバンドは、新しいアルバムの「Para Rio」と「Hunt」ではサックスとギターが主な旋律を弾いていると話した。7 2013年の紹介文では、ギターは表題曲の軸、サックスは「The Finishing」の対話の相手として、一曲ずつに書き分けられていた。二つ目のヒットとされる「Gold Town」は「Gold Town」のエッセイで、旅先の録音を使った曲は「All Day I Zama」のエッセイで扱った。17

出典・注

[1] About Stavroz, Stavroz公式サイト。掲載日表示なし、現在の紹介文。結成の経緯と、『The Ginning』の成果(フランスでのゴールド、Hype Machine、FAZEの今月のレコード)を「The Finishing」に帰する記述はバンド側のもので、個別には確かめていない。

[2] BIO – Nathan Daems, Nathan Daems公式サイト。掲載日表示なし。本人側の経歴(学歴、楽器、Black Flower、Stavrozとの録音)。直接引用はここから。再生回数の記述は確かめておらず、本文では使っていない。

[3] The Ginning EP, Stavroz公式Bandcamp。released May 28, 2013、6曲の曲順と長さ(The Finishing 08:02)、紹介文(宣伝文。初出のレーベルDélicieuse Musiqueの文面と見られるが、出所は確かめていない)。

[4] Angelo Vitolo, Stavroz - Ijsbrand & Gert, nss magazine、2013年6月3日。イタリア語の評。Délicieuse Musiqueからの発売と各曲の紹介。リミキサー名は Powell と綴る。

[5] Lennert Hoedaert, Nathan Daems: "Luxe dat ik als professionele muzikant geen compromissen moet maken.", VI.BE、2021年11月25日。オランダ語の取材記事。記者の地の文。

[6] The Ginning (Vinyl Reissue), Stavroz公式Bandcamp。released September 9, 2026、紹介文(宣伝文)と4曲の曲目。「12 years later」は紹介文の言葉。

[7] Thomas Gaboury-Potvin, When We Dip 184: Stavroz, When We Dip、2025年9月19日。バンドの回答。どの奏者が吹いているかは述べられていない。

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