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2019年10月18日 追加

The Sound of Violence

Cassius / Au Rêve (Deluxe Edition) ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 3 分

サンプルを抜いたあとに残った曲

カシアス(Cassius)とは何かを人に説明するなら、どの曲をかけるか。ボンバス(Boombass)は、ニュースレターLine Noiseを書くベン・カーデュー(Ben Cardew)の取材に、2002年のアルバム『Au Rêve』の「The Sound of Violence」を選び、こう言った。

"the middle to explain between the past and the last thing we did"(過去と、最後にやったことの間を説明する真ん中)1

最初のアルバムとサンプルの時期のあとで、新しい方向が始まった曲だという。1 ところが2024年の別の取材では、彼はこの曲がAC/DCのサンプルから生まれ、その音はいまは曲の中にないと話している。2 サンプルの時代から離れた曲として選ばれた一曲は、サンプルから始まっていた。

二人と二作目

カシアスは、ボンバスことユベール・ブラン=フランカール(Hubert Blanc-Francard)とフィリップ・ザドール(Philippe Zdar)の二人組で、1990年代のパリのハウスから出てきた。1 カーデューはカシアスを、サンプルを頂点まで乗りこなす名手と呼ぶ。その二人が二作目の『Au Rêve』ではサンプリングから離れ、フランスの音楽家-M-の重いギターと、ゴーストフェイス・キラー(Ghostface Killah)、ジョスリン・ブラウン(Jocelyn Brown)ら声の共作者と組む方向へ向かった。カーデュー自身は最初、歪んだギターになじめなかったが、のちにカシアスの滑らかなハウスに金属の鋭さを与えるものとして受け入れたと書く。1 Qobuzの『Au Rêve (Deluxe Edition)』では、この曲は2曲目で7分13秒。同じ盤の終わり近くには、この曲の別の版が三つ並ぶ。3

弾き直して、抜く

Samples.frの取材でボンバスは、ザドールと作った曲の多くはサンプルから始まったが、上から演奏し直すうちにサンプルが消えていったと説明した。ごちゃごちゃしてきたらサンプルを抜き、そこから変えていく、という。その例として挙げたのがこの曲だった。2 どのAC/DCの曲かは語られていない。

本人の話では、新しい方向の一曲も、サンプルを足場にして弾き直し、最後に足場を外すという、二人の曲の多くに共通する作り方から生まれていた。曲を聴いてサンプルの跡を探しても、本人の話では、もう残っていない。

一人で語る時期に

カーデューによれば、ザドールは2019年、5作目『Dreems』が出た二日後に亡くなった。2024年にはベスト盤『Best Of 1996 - 2019』が出て、ボンバスはその夏、パラリンピックの閉会式でカシアスとして演奏した。1 この曲についての二つの話は、どちらもザドールの死後、ボンバスが一人で語ったものだ。

彼が過去の側に置いたサンプルの時期を聴くなら、ボンバスが自由な気分で作ったと振り返るデビュー作『1999』がある。1

出典・注

[1] Ben Cardew, A tribute to Cassius, the good-time boys of the French Touch, Line Noise、2024年10月23日。ベスト盤に寄せた筆者の文。ボンバスの選曲と発言は筆者による取材(本文中に2023年に話したとある)からの引用で、2002年当時の発言ではない。『Au Rêve』の作りとギターへの反応、ザドールの死、ベスト盤とパラリンピックは筆者の地の文。直接引用はここから。

[2] Yann, Interview Boombass (Cassius), Samples.fr、2024年10月11日。フランス語の電話取材。AC/DCのサンプルとその削除、サンプルが消えていく作り方は本人の回想。サンプル元の曲名は述べられていない。

[3] Au Rêve (Deluxe Edition), Qobuz。2曲目 00:07:13、16〜18曲目にReggae Rock Mix、Cosmo Vitelli、Narcotic Thrust Remixの3版、配信の発売日表示 17/09/2002。

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