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2019年10月18日 追加

I <3 U SO

Cassius / The Rawkers (I <3 U SO Edition) ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 3 分

ブログのフォルダで見つけた声

2024年、Samples.frにいちばん気に入っているサンプルを聞かれたボンバス(Boombass)は、「I <3 U SO」を挙げた。当時はソウルのブログから大量に音源を落としていて、あるフォルダを当てずっぽうに開き、サンドラ・リチャードソン(Sandra Richardson)の名を見てスペースキーを押すと、曲が鳴り出し、調も合っていた。それをPro Toolsに入れて切り、声を置き、ピッチを変えて二重にしたという。彼はブログの頃を懐かしみ、誰からも盗んではいなかったと言って、落とした音源をこう説明した。

"C'était des disques introuvables, des trucs vendus à 40 exemplaires."(手に入らない盤で、40枚しか売れなかったようなものだった)1

二人の出発点

カシアス(Cassius)は、ボンバスことユベール・ブラン=フランカール(Hubert Blanc-Francard)とフィリップ・ザドール(Philippe Zdar)の二人組だ。ベン・カーデュー(Ben Cardew)によれば、二人は1988年にパリのスタジオで出会った。ザドールはボンバスの父で録音技師のドミニク・ブラン=フランカール(Dominique Blanc-Francard)の助手だった。二人はMCソラー(MC Solaar)の最初の三作に関わり、1996年にカシアスとして最初の曲を出す。カーデューは、彼らがハウスに持ち込んだのはヒップホップ仕込みのサンプルの腕だと書く。2

12インチから、別のラップへ

カーデューによれば、この曲は2010年、Ed Bangerから出たEP『The Rawkers』に入った。彼はそれを、クラブを破壊し、ジェイ・Z(Jay Z)とカニエ・ウェスト(Kanye West)の耳にとまったハウスの獣と呼ぶ。使われた声はリチャードソンの「I Feel A Song (In My Heart)」の一片で、2011年にジェイ・Zとカニエが「Why I Love You」でこの曲をサンプリングしたことで、カシアスの国際的に最大の曲になった、とも書いている。2 Qobuzに載る『The Rawkers (I <3 U SO Edition)』では、この曲は1曲目で3分42秒。権利表示は2011年、Cassius RecordsからEd Banger Records/Because Musicへの独占的な使用許諾だ。3

ブログで拾われたソウルの声が、パリのハウスの曲になり、翌年には米国のラップの曲の素材になった。ボンバスの話では、見つけてから声を切り、置き、ピッチを変えるまでが一続きの手作業だった。1 その短い工程の先に、二度目のサンプリングが続いたことになる。

20歳に戻った版

カーデューがこの曲以上に推すのは、スクリーム(Skream)のリミックスだ。正式な題は「Skream's Made Zdar Feel Like He Was 20 Again Remix」で、彼は、ピアノの和音、甲高く加工された声、疾走するアーメン・ブレイク(ドラム・ブレイクの定番の素材)を挙げ、2024年のベスト盤に入らなかったのを惜しんでいる。2 同じEd Bangerの曲は、「Domino」のエッセイでも扱った。

出典・注

[1] Yann, Interview Boombass (Cassius), Samples.fr、2024年10月11日。フランス語の電話取材。ボンバス本人の回想で、2010年当時の発言ではない。直接引用はここから。

[2] Ben Cardew, A tribute to Cassius, the good-time boys of the French Touch, Line Noise、2024年10月23日。ベスト盤『Best Of 1996 - 2019』に寄せた筆者の文。出会いと経歴、サンプル元の曲名、2011年のサンプリング、クラブでの評判、スクリームのリミックスの描写はいずれも筆者の地の文。

[3] The Rawkers (I <3 U SO Edition), Qobuz。1曲目 00:03:42、配信の発売日表示 10/8/10、権利表示(2011 Cassius Records under exclusive licence to Ed Banger Records / Because Music)。

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