国の外で当たり、国の中で気づかれなかった曲
2012年11月19日付で公式Bandcampに置いた回顧集『RETROSPECTIVE 1992 - 2012』のこの曲のページに、フランスのビートメイカー、ガッツ(Guts)は英語とフランス語で説明を添えた。2007年の初のソロ・アルバム『Le Bienheureux』でいちばん大きな曲で、YouTubeで80万回以上見られた。ドイツとオーストラリアで大きく当たり、のちにギリシャや東欧でも当たった、と書いたあと、彼はこう続ける。
"when the record came out, that track remained unknown in France."(盤が出たとき、この曲はフランスでは知られないままだった)1
英語でもフランス語でも、彼はそれを妙なことだったと書き添えている。1
「Summertime」のカバーから
同じ説明で、ガッツはこの曲を、ビリー・スチュワート(Billy Stewart)による「Summertime」のカバーの再解釈と呼ぶ。とても美しいその録音を、当時誰もサンプリングして使い直そうと考えなかったことに驚いた。すぐに手応えがあり、仕上げ方が見えて、最初の版がそのまま良い版になった、という。1
ガッツについて、2019年のPan African Music(PAM)の記事は、90年代にパリのヒップホップ・グループ、アリアンス・エトニック(Alliance Ethnik)の制作で重要な役を担った人と紹介する。2 2014年、indiemusic.frのフレッド・ロンバール(Fred Lombard)は、取材記事の書き出しで、2007年の『Le Bienheureux』の時点で、このパリのビートメイカーが遠くまで行くことは見えていたと書き、彼が今はイビサ島で落ち着いて暮らしていると紹介した。3
後年のアルバムの1曲目の出発点を彼が語った話は「Voyaging Bird」のエッセイに、彼の曲が他人のリミックスで声を得て、また声を外した例は「Kenké Corner」のエッセイにある。
QobuzとAppleの曲目にない曲
QobuzとAppleが載せる『Guts (Le Bienheureux)』15曲には、この曲がない。Qobuzは2007年6月1日、KIFの盤と表示する。45 回顧集のページの版は、題に「MPC 4000」と「2007」を添え、制作とミックスはガッツ、マスタリングはアンブロワーズ・ボレ(Ambroise Boret)と記す。1
回顧集を出す目的を、ガッツは同じページで二つ挙げている。『Le Bienheureux』から追ってきた聴き手にも知られていない経歴の一部を見せること、そして次のアルバムの資金を集めることだ。1 発売時のフランスでの無名を書き留めた説明は、経歴を振り返るその盤の、この曲のページに置かれている。
出典・注
[1] Guts, And the living is easy ( MPC 4000 ) 2007, Guts公式Bandcamp(『RETROSPECTIVE 1992 - 2012』の曲ページ)。track released November 19, 2012、Produced & mixed by Guts、Mastered by Ambroise Boret、本人の説明文(英語とフランス語。直接引用は英語文から)、回顧集の目的の説明。説明文の書かれた日付は表示されず、回想の時点は2012年頃と読んだ。このページの版と、2007年の盤に入っていた録音が同じかは確かめていない。
[2] Kino Sousa, Guts, inner journey of a modest and funky beat-digger, PAM、2019年5月9日。ガッツの紹介(記者の地の文)。この曲への言及はない。
[3] Fred Lombard, [Interview] Guts, indiemusic.fr、2014年(フランス語。ページに「28 novembre 2014」と「25 décembre 2014」の二つの日付がある)。書き出しの記者の地の文(『Le Bienheureux』、イビサ)。取材の本体は別の盤について。
[4] Guts (Le Bienheureux), Qobuz(フランス)。Paru le 01/06/2007 chez KIF、15曲の曲目(℗ 2007 KIF)、総時間42分45秒。
[5] iTunes Lookup API: Guts (Le Bienheureux), Apple。盤の日付2007-06-01、℗ 2007 KIF、15曲(Intro〜I Love You)。この曲は含まれない。2007年の盤の曲目との関係は確かめていない。