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2023年9月4日 追加

Out of Touch

Souleance、Kit Sebastian / Out of Touch ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 2 分

ビートを作る人が、音をまとめる

ビートを作ることと、複数の音をミックスすることは、録音の中の違う仕事だ。「Out of Touch」では、その両方にフルジャンス(Fulgeance)の名がある。1 ソウリアンス(Souleance)とキット・セバスチャン(Kit Sebastian)の共作を、ジャンルの混ざり方だけでなく、音を作り、まとめる担当の重なりから考えたい。

リズムの上に、弦と声を置く

First Wordの紹介は、この曲を重い98 BPMのグルーヴから始まるものと描く。BPMは一分間の拍数で、ここでは98拍というテンポの記述だ。同じ紹介は、キット・マーティンのギターとサズ、メルヴェ・エルデムの声を挙げている。1 サズは長い棹を持つ弦楽器で、ギターとは別の楽器名である。2

曲別クレジットでは、弦はKit Sebastian、声はMerveという名義で載る。フルジャンスには、ベース、シンセサイザー、ビートとドラムの音を並べるプログラミング、さらにミックスが記されている。1 リズムと低音を作った人が、ほかの人の弦や声を含む音をまとめる位置にもいる。

演奏した音と、聞こえてくる音

ミックスは、複数の録音を音量や配置、響きの調整でまとめる仕事だ。音を足しても、すべてを同じ大きさで聞かせる必要はない。声を前へ出すところと、リズムへ注意を戻すところでは、同じ素材でも中心が変わる。

フルジャンスの二つの担当を並べると、リズムの素材を決める仕事と、曲全体の中でその素材を聞かせる仕事がつながる。ギターやサズ、声が加わる共作でも、ビートを作る人はミックスにも役割を持つ。何のジャンルを足したかだけでなく、音同士の比率を誰が決めるかも、一曲をまとめる具体的な手掛かりになる。

出典・注

[1] First Word「Souleance & Kit Sebastian — Out of Touch」。発行元の紹介と曲別クレジット。紹介の人名とクレジットの名義を無条件に同一担当へ統合しない。録音の受渡し順や、具体的なミックス操作は未確認。本文のミックスの例は一般説明で、本曲の実操作を示さない。

[2] Modal Music「Saz」。Drom協会が開発したモーダル音楽の学習ポータルによる一般説明。本曲で使った実物の型や奏法を特定するものではない。

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