トーク ・ DJ と職業音楽家
The House (System Olympia Remix) — 群衆から持ち帰ったリミックス
DJこの日は「Sabi Lulu」のPolocorpリミックスと、この「The House」を選んでる。二つのリミックスを並べた日なんだね。
音楽家こちらの作り始め方が気になる。System OlympiaはPrintworksでRóisínのライブを見て、その夜に帰宅してリミックスを作ったと話してる。
DJ一人で群衆に紛れて、パフォーマンスの力を受け止めたという話だ。DJブースから眺めた夜じゃなく、客として入り込んだ夜を持ち帰っている。
音楽家本人が目指したのは、Róisínのパフォーマーとしての大きさに見合うリミックス。その人の曲を加工する前に、その人が舞台で何をするかを見に行ったという順序が面白い。
DJ頼んだ側にも時間がある。RóisínはSystem Olympiaの音楽に惚れ込んで、自分から連絡したと言う。知り合って数年の相手に、この曲を渡してる。
音楽家作り手を選ぶところから仕事が始まってるね。Róisínは彼女をプロデューサー、ソングライターとして高く評価している。僕は、そういう信頼を受けて何を残し、何を動かすのかに関心がある。
DJしかもSystem Olympiaは、RóisínのBBC 6Musicの企画にDJミックスも組んでいた。曲を一つ作る相手であり、曲を並べる相手でもある。
音楽家その往復はいいね。誰かの声を扱う仕事と、誰かのために選曲する仕事。今回のクレジットにはRóisínがLead Vocals、System OlympiaがRemixerとして並んでいる。
DJ僕なら深夜のセットで、歌のある曲を長めに置きたいところに、このSystem Olympia版を入れる。ライブラリで選んだ六分四十七秒を、短く切り上げずに使う。
音楽家僕は声とリミックスの関係を追って聴きたい。ライブで受け取ったものを、本人がどこへ置き直したのか。そこがこの制作談から生まれる聴きどころだ。
DJライブラリのRóisínは、その前に「Something More」のSoulwax版もある。2023年2月の追加から、今回は別のリミキサーへ進んでる。
音楽家同じ歌い手の名前から、相手の選び方を辿れる。今回は自分から声をかけた人が、ライブの客席にも立った。その二つの立場が一曲に集まっている。
DJDJ Kozeの名前もここにある。その後のライブラリには「Wie schön du bist」や「Buschtaxi」も入るけれど、この日はSystem Olympia版を選んでいる。
音楽家配信の曲別欄ではStefan KozallaがProducerとMixing Engineer、System OlympiaがRemixer。役割の名前を辿りながら、声の周りがどう組み替わるのかを聴きたい。
DJ5月10日の記事でこの曲はすでに出ていると紹介され、リミックス盤は5月24日予定だった。ライブラリは盤の発売日より先に、この一曲を選んでいる。
音楽家その一曲から、依頼した人と客席にいた作り手の両方へ戻れる。今日はRóisínの声を手掛かりに、System Olympiaがあの夜から持ち帰った仕事を聴こう。