トーク ・ DJ と職業音楽家
Daphni「Catch 23」──短い一曲で、盤へ戻る
DJ今度は「Catch 23」を選んだ。2月には「Hang」を二度追加して、9月の新しい五曲の中にもDaphniがいる。曲を替えながら、また同じ名義へ戻ってる。
音楽家同じ「Hang」へ戻ったあとで別の曲を選ぶ。その動きがいいね。一曲を繰り返すことと、作り手の別の仕事へ進むことが両方ある。
DJ公式の『Butterfly (Expanded Edition)』で「Catch 23」は23曲目、二分五十五秒。ライブラリの表示も同じ長さだ。この短さは選曲で扱ってみたくなる。
音楽家僕は、短い曲なら何を残して終えるのかに関心がある。もう一周させるのか、そこで切るのか。二分台でも、作る側の終わり方の判断を探せる。
DJDan Snaithは『Butterfly』の話で、Daphniの音楽は主に自分のDJセットでかけるために作ってると言う。でも、遅かったり変だったりして普段はかけない曲もあるんだって。
音楽家そのあと「適切なクラブならかける」という考えに言い直すんだよね。曲の性格を変えるより、受け止める場所を考え直す。その発想は制作にも持ち帰りたい。
DJ僕は「Catch 23」をセットの中盤、次の長い曲へ進む前の一曲に置く。二分五十五秒という枠を使って、そこで選曲の向きを変える。
音楽家それなら僕は終わり際に注目する。次へ渡す余地をどう感じるか。短さを急ぎ足と決めず、君が置いた前後と一緒に考えたい。
DJ本人は、機能的な曲と変わった曲を隣に置くことが、盤でもDJセットでも面白いと言ってる。全部を同じ役割にそろえる必要がないんだ。
音楽家僕にも、その並べ方は魅力がある。作るときから全部を同じ用途に寄せると、残したかった部分まで削りそうで。用途の違う曲を一枚に置く余裕を持ちたい。
DJ拡張版のクレジットには、Dan Snaithが書いて制作した、とある。名義はDaphniで、仕事の名前としてDan Snaithが出てくる。
音楽家盤の表札と作業する人の名前を行き来できるね。僕はそこから、曲が終わるところまで本人がどんな判断を積み重ねたかを聴いてみたくなる。
DJライブラリでは9月の「Sad Piano House (Kelbin Remix)」のあとに、今度の「Catch 23」がある。リミックスを選んだ次に、題名にリミックスと付かない一曲へ進んでる。
音楽家同じ名義でも、別の人が手を入れた版を選ぶときと、その人自身の仕事を追うときがある。この二曲を並べて、どこへ関心が移るか考えるのが楽しそう。
DJ「Hang」から拡張版の23曲目へ、というライブラリの続きができた。アルバム名だけを覚えるより、選んだ曲が増えるたびに盤を開き直せる。
音楽家じゃあ「Hang」と「Catch 23」を続けて確かめよう。同じ盤名に置かれた二曲でも、それぞれをどこで終え、どう次へ渡すか。その違いから入ってみたい。