My Music Research10 年分のライブラリを、追加日順に
2018年2月27日 追加

Shades Of Marble - Kasper Bjørke Remix

trentemøller、Kasper Bjørke / Remix Crusades (2007-2013) ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 3 分

作った本人の版の隣で、夜の側に置かれる

トレントモラー(Trentemøller)の「Shades of Marble」は、2011年3月28日、原曲に三つのリミックスを付けて出た。そのうち一つは、作った本人によるリミックスだ。公式の紹介文は本人の版を、壮大さを備えてダンスフロアへ傾き、フェスティバルの季節にずっと聴かれるはずの組み直しと書いた。同じ文章は、カスパー・ビョーク(Kasper Bjørke)の版を、より深く低く構え、夜更けの領域へ聴き手を導くリミックスと紹介している。1 フェスティバルの季節まで聴かれるはずと紹介された作者自身の版のそばで、ビョークの版は夜の側に置かれた。

同じ曲の、四つの長さ

原曲はトレントモラーのアルバム『Into The Great Wide Yonder』からの一曲で、公式Bandcampの表示では5分53秒。本人のリミックスは8分25秒、ソフィアのキンク(KiNK)の版は7分15秒、ビョークの版は6分25秒ある。1 紹介文はキンクの版を、シカゴとベルリンが出会う硬質なジャムと呼び、ブレイクで奇妙な瞬間へ入ったあと、彼のドラムマシンが残りを引き受けると書く。ビョークの版は、ファンクと憂いに満ち、彼らしい作りを好む人への贈り物だという。1

2013年3月、ビョークのリミックス集『Remix Crusades (2007–2013)』に、同じ題の版が同じ6分25秒の表示で入った。2 その盤の評でアクセル・クンツ(Axel Kunz)がこの版に使った言葉は、「Lie Down In Darkness」のエッセイで扱った。夜更けへ導くと書かれた版を、二年後の評者はダンスフロアの側から聴いている。

開場からの四時間

その盤が出る直前の2013年2月、NBHAPのノーマン・フライシャー(Norman Fleischer)は、トレントモラーをビョークのよき友人と紹介し、二人が最近いくつかのDJの仕事を一緒にしたと書いた。取材は、ビョークがベルリンのパノラマ・バーで初めてDJをした夜のあとに行われている。3 ビョークは、その夜をこう振り返った。

"I had four hours before Trentemøller started playing"(トレントモラーが始めるまでに四時間あった)3

だから時間をかけて、かなり実験的な曲をかけられたという。ふだんは準備をあまりせず、始めるときに客の様子を見て、前のDJに合わせてテンポを大きく落とすことも、積み上げることもあるが、この夜は開場と同時に始めたので、どこへでも持っていけた、とも話している。3 その四時間にこのリミックスをかけたかどうかは、取材からは分からない。

二人の立場が入れ替わる「Doesn't Matter」の版は「Lie Down In Darkness」のエッセイで触れた。2018年の『The Fifty Eleven Project』を最新作として語った取材では、ビョークは自分の制作と並行して、トレントモラーらのマネジメントの仕事もしていると話した。4 2011年の紹介文で夜更けの版を受け持った人は、2013年2月の取材で語られたパノラマ・バーの夜には、作った本人の前の、開場からの時間を受け持っていた。

出典・注

[1] Shades Of Marble, Trentemøller公式Bandcamp。released March 28, 2011、四曲の曲名と長さ、紹介文(各版の形容はこの紹介文のもの)。同文はTrentemøller公式サイトの作品ページにも載る(掲載日表示なし)。

[2] Kasper Bjørke / hfn music, Remix Crusades (2007–2013), Kasper Bjørke公式Bandcamp。released March 11, 2013、19曲目「Trentemøller - Shades Of Marble (Kasper Bjørke Remix)」06:25。2011年の版との録音の同一性は、長さの表示が同じというだけで確認していない。

[3] Norman Fleischer, Interview: Kasper Bjørke, NBHAP、2013年2月21日(元のURLは現在404。Internet Archiveの2013年3月1日保存版で閲覧)。友人関係と共演は記者の前書き、パノラマ・バーの夜とDJの準備はビョーク本人の回答(直接引用はここから)。

[4] Fifteen Questions Interview with Kasper Bjørke — Form and Function, Part 1, 15 Questions。掲載日表示なし(現行作として2018年の『The Fifty Eleven Project』を挙げる取材)。マネジメントの仕事についての本人の回答で、2011年当時の関係を示すものではない。

← この曲のページへ