トーク ・ DJ と職業音楽家
Lie Down In Darkness — Moby / Kasper Bjørke Remix
DJ2月27日は『Remix Crusades (2007-2013)』から二十四曲を選んでる。Mobyの「Lie Down In Darkness」も、その日の一曲だ。
音楽家この版をAxel Kunzは、驚きのある再解釈と評してる。作る側としては、Mobyの曲にKasper Bjørkeが何を持ち込んだのか、そこを聴きに行きたい。
DJ同じ評には「Shades of Marble」も出てくる。こちらはTrentemøllerの曲をKasperがリミックスした版で、ミニマルだけどフロアを強く惹きつける、と書いてる。同じ日にこれも選んでるね。
音楽家Mobyには再解釈の驚き、Trentemøllerには絞った音での引力。僕はその違いを手掛かりに、同じ人が原曲ごとにどう応じるのか確かめたい。
DJKasper本人は、リミックスでは原曲を尊重しながら解体し、自分の音の世界から新しい案を加えると話す。『Remix Crusades』の紹介に、その考えが載ってる。
音楽家僕は「尊重」と「解体」が一緒にあるところに惹かれる。残すものを決めるのも、組み替えるのも仕事になる。その考えを持って、Moby版の再解釈を聴けるね。
DJ僕ならこのMoby版を、リミックスを聴かせるセットの切り替わりに置く。評者が書く再解釈の驚きを、一曲に耳を向けるきっかけにしたい。
音楽家僕はそこから「Shades of Marble」へ進みたい。どちらもKasperが作り替えた曲だけど、評者の受け取り方は違う。五分三秒と六分二十五秒を、二つの仕事として辿れる。
DJこの盤はhfn musicが送り出したもの。紹介では、Kasperの曲をほかの人がリミックスする側と、Kasperがほかの人の曲をリミックスする側を組み合わせてる。
音楽家ライブラリには、逆向きの組み合わせもある。「Doesn't Matter」はKasperの曲をTrentemøllerがリミックスした版だ。同じ日に、互いの仕事を選んでる。
DJKasperは、リミックスの仕事を集めると制作日誌のようになるとも話す。その時に関心を持っていたものが反映され、リミックスで作った音が自分の曲へ影響することもある、と。
音楽家僕はその往復を読むのが面白い。他人の曲への仕事と、自分の曲の仕事が行き来する。Moby版から始めたら、Kasper自身の曲を別の人が扱う側まで掘れるんだね。
DJ盤の発売表示は2013年3月11日。この二十四曲を選んだ日は、それから千八百十四日後だ。一日の日付に、盤の両側がまとまって残る。
音楽家僕は、Moby一曲だけで終わらない選び方に関心がある。「Shades of Marble」と「Doesn't Matter」を並べると、同じ二人の名前でも仕事の向きが入れ替わる。
DJ二十四曲の中には「Heaven」のNicolas Jaar Remixや「Symptoms」のMano Le Tough Remixもある。Kasperの名前から、次に聴きに行く相手が増えていく。
音楽家今日はMobyの再解釈を起点に、Trentemøllerとの二方向の仕事へ進もう。原曲を託す側と、作り替える側。その両方を選んだ日として、2月27日のライブラリを読めるね。