印税の出なかったヒットの、その先で
2020年5月8日掲載の英Dazedのアレックス・デニー(Alex Denney)の記事で、アンゴラのルアンダ生まれの歌手ポンゴ(Pongo)は、15歳で声を入れた曲の印税を一度も受け取らなかったと語った。曲はリスボンのクドゥロ(アンゴラ発のダンス音楽)の中心にいたブラカ・ソン・システマ(Buraka Som Sistema)の「Kalemba (Wegue Wegue)」で、記事は2008年にチャートの首位に立ったヒットと書く。その後、彼女は妹たちを養うために働き続け、清掃の仕事中にラジオでこの曲を耳にして、今度は自分の条件で音楽に戻ると決めたという。1 戻った先の最初のEP『Baia』に入った一曲が「Kuzola」だ。
パリで組み立てた盤
2017年12月5日、リスボンのBantumenは、彼女がMo'Kubikoとプロデューサーのコンドゥトール(Condutor)とともに、2018年の第1四半期に出すEPを準備していると伝えた。2 2020年9月の仏Arty Magazineの取材で本人は、三年前にパリのプロデューサー、ラファエル・デルヴェ(Raphaël D'Hervez)とレーベルCapitaine Ploufに出会い、二枚のEPを作ったと話している。3
2018年7月3日、Jeune Afriqueのレオ・パジョン(Léo Pajon)とアイサトゥ・ディアロ(Aïssatou Diallo)は、彼女が携帯電話に口ずさんで録った歌を、デルヴェが見事に編曲したと書き、彼をクドゥロを電子音楽やダンスホールと混ぜられる作り手と紹介した。盤は9月に一般に届く予定だったという。4 Pan African Musicは同年6月6日、デビュー・シングル「Tambulaya」に続くビデオとして「Kuzola」を紹介し、題はキンブンド語で愛を意味すると添えた。5
Qobuzの『Baia』の表示では、ほかの5曲が作曲と作詞をまとめて「Pongo Love」の名に帰すなか、3曲目の「Kuzola」はポンゴが作詞、デルヴェが作曲・編曲・制作と分かれている。長さは3分55秒。配信の発売日は2018年9月21日だが、権利表示は2019年だ。6 Capitaine Ploufの紹介と本人の回想も、最初のEPを2019年のものとしている。73
夏から冬のフロアへ
2018年9月28日、仏ブログLes Oreilles Curieusesは、盤の評をこう書き出した。
"Son tube « Kuzola » nous a fait danser tout l'été"(彼女のヒット「Kuzola」に、この夏じゅう踊らされた)8
2018年12月6日、木曜の夜、ポンゴはレンヌの音楽祭Trans Musicalesで、見本市会場の第8ホールに立った。地元サイトのジャン=クリストフ・コレ(Jean-Christophe Collet)は、若い観客の前で彼女が国への愛と、キンブンド語で愛を意味するKuzolaを叫んだと書き、その晩の発見と呼んだ。9 2019年5月3日には、同じ盤の2曲に制作者として名のある20Sylのリミックスが出た。Beatportの表示ではテンポ136、分類はダンス/ポップ。106 Qobuzの『Baia』は、このリミックスを7曲目に収め、その作曲と作詞の欄を「Pongo Love」の名にまとめている。6
出典・注
[1] Alex Denney, Angolan-Portuguese musician Pongo makes powerfully personal pop, Dazed、2020年5月8日(ページの公開日データ)。印税を受け取らなかったこと(本人の言葉)、2008年のヒット、清掃の仕事中にラジオで聴いたこと(記者の地の文)。取材は英国のロックダウンの三週間前。
[2] Eddie Pipocas, Pongo Love regressa 9 anos depois de "Wegue Wegue", Bantumen、2017年12月5日。EPの準備と協力者(ポルトガル語、記者の地の文)。
[3] Marin(聞き手), De l'Angola à Lisbonne, le rêve kuduro de Pongo, Arty Magazine。2020年9月19日の取材、2021年8月掲載(ページの公開日データ)。デルヴェとCapitaine Ploufとの出会い、EP『Baia』を2019年とする本人の回答(フランス語)。
[4] Léo Pajon, Aïssatou Diallo, Musique : le live de Pongo, la nouvelle révélation du kuduro, Jeune Afrique、2018年7月3日。携帯電話の録音と編曲、9月の公開予定(記者の地の文、フランス語)。
[5] New Video: Pongo - Kuzola, Pan African Music、2018年6月6日(ページの公開日データ)。ビデオの紹介と題の意味。
[6] Baia, Qobuz。配信の発売日表示 9/21/18、7曲の曲別クレジットと長さ、℗ 2019 Capitaine Plouf / Jardin Rouge。7曲目は Kuzola (20Syl Remix)。
[7] PONGO, Capitaine Plouf公式サイト。最初のEPを2019年初めの発売とする紹介文(レーベル側の宣伝文)。
[8] Pongo – Baia, Les Oreilles Curieuses、2018年9月28日。盤の評(フランス語、直接引用はここから)。
[9] Jean-Christophe Collet, Pongo : la nouvelle petite reine des Trans, Rennes Infos Autrement、2018年12月7日(ページの公開日データ)。Trans Musicalesでの公演の記事(フランス語)。Kuzolaを「amour en kimbundu」と注記する。曲として演奏されたかどうかは書かれていない。
[10] Kuzola (20Syl Remix), Beatport。発売日表示 5/3/19、BPM 136、Dance / Pop、4:34。