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2019年10月19日 追加

Abusey Junction

Kokoroko / We Out Here ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 3 分

いちばん知られた曲は、いつものセットと違う曲だった

2019年3月8日掲載のOkayAfricaの取材で、聞き手のクリスチャン・アドフォ(Christian Adofo)は、ロンドンの8人組アフロビート・バンド、ココロコ(Kokoroko)の「Abusey Junction」が、1年前に編集盤『We Out Here』で出て以来YouTubeで2000万回以上再生され、最近Worldwide AwardsでTrack of the Yearを得たと前置きして、ライブでこの曲を演奏するとどうかと尋ねた。バンドを率いるトランペット奏者のシーラ・モーリス=グレイ(Sheila Maurice-Grey)は、この曲の特別さは生まれたときの空気にあり、録音もとても自然に進んだと答え、こう続けた。

"it's been hard to recreate that same vibe on a live stage"(同じ空気をライブの舞台で再現するのは難しかった)1

自分たちの書いてきた曲、少なくともセットで演奏する曲とは、ずいぶん違うからだという。1 ロンドンの音楽大学トリニティ・ラバンの卒業生紹介も、この曲をジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)のWorldwide Awardsで2019年のTrack of the Yearを得たものとして挙げている。2 この曲が入った編集盤と、「ジャズ」と呼ばれることへのバンドの違和感はジャズという言葉の特集にある。

先に録っていたEP

同じ取材でモーリス=グレイは、「Abusey Junction」を録る前に、すでにEPを録っていたと明かしている。まだ納得のいく出来ではなかったので、演奏と作曲を続け、前年の初めに改めてEPのつもりでスタジオに入ったという。1 取材の掲載と同じ日、4曲入りの『Kokoroko』が出た。公式Bandcampでは「Abusey Junction」は最後の4曲目に置かれ、7分4秒と表示される。トランペット、サックス、トロンボーン、ギター、鍵盤、ベース、ドラム、パーカッションの8人が名を連ねる。3

EPの紹介文で、打楽器のオノメ・エッジワース(Onome Edgeworth)は、きれいすぎる音はロンドンの音に合わない、スピーカーから押し出される音楽や、アフロビートのパーティーで踊る人たちの熱気のように荒く鳴らしたかった、ダンスフロアで効くのを見てきた音楽だから、と話している。3 同じ紹介文は「Abusey Junction」を、エボ・テイラー(Ebo Taylor)の管楽器が導く書き方にならったパームワイン風のバラードの一つと呼び、YouTubeの再生が1800万回を超えたヒットと書く。3 紹介文と取材で、数字は少し食い違っている。

フロアで効く荒さを掲げるバンドのなかで、ヒットになった曲は、バンドを率いる人がセットで演奏する曲とは違うと言う曲だった。EPでいちばん好きな曲を問われたモーリス=グレイは「Ti-de」を挙げ、「Abusey Junction」に少し似ていて、それでもかなり違うからだと答えている。1

出典・注

[1] Christian Adofo, Kokoroko: 'Jazz & Afrobeat Shouldn't Stay Within Our Parents' Generation', OkayAfrica、2019年3月8日。再生回数と受賞は聞き手の質問の前置き。ライブでの再現、EPを先に録っていた経緯、好きな曲についてはモーリス=グレイの回答(直接引用はここから)。

[2] Kokoroko, Trinity Laban(卒業生紹介)。掲載日表示なし、現在の紹介文。2019年のWorldwide AwardsでのTrack of the Year。

[3] KOKOROKO, Kokoroko公式Bandcamp。released March 8, 2019、4曲の曲目と長さ(4曲目 07:04)、演奏者の一覧、紹介文(Teju Adeleye執筆。エッジワースとモーリス=グレイの言葉を含む、作り手側の宣伝文)。

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