編集した側の、2015年
2015年5月、ロンドンからのライブ配信のセットで、フォー・テット(Four Tet)は始まって数分のうちに「Tyrion」をかけた。Mixmagのクリスチャン・イード(Christian Eede)が2019年に振り返ったところでは、それはオフリン(O'Flynn)ことベン・ノリス(Ben Norris)のデビュー盤のA面で、曲名を尋ねる声が殺到した。1 同じ年の9月11日、ロンドンのレーベルWah Wah 45sはデレ・ソシミ(Dele Sosimi)の「E Go Betta」のシングルを出し、オフリンの再編集を収めた。レーベルは彼を新進の作り手と呼び、所属をBlip Recordingsと書いている。2 このシングルの二つの版と、エディットがその後の盤に移っていく経緯は、エディットと短い版の特集で扱った。ここでは編集した側を見る。
学生の資金で始まったレーベル
ノリスは2019年のMixmagで、デビュー盤を出したBlip Discsの始まりを語っている。友人のトム・ブリップ(Tom Blip)が大学の学生向けの資金からおよそ1000ポンドを得たと思う、という。それはレコードのレーベルを始めるには足りず、自分の兄弟も金を出したという。それまで二人は何か月も盤を店に持ち込み、多くは売れた分だけ払う条件で置いてもらった。フォー・テットらDJの手に盤が渡ったことで、すべてが変わったと記事は書く。1
2016年4月6日掲載のStamp The Waxの取材でも、ノリスは、業界に知り合いがなく、ほかのレーベルへのデモも通らなかったので、「Tyrion」を出そうとしてくれたのはトムだけだったと話している。最初の二枚ではどちらも、仕上がったと思って渡した曲を、トムはまだだと言って戻し、言い合った末に直すと、彼が正しかったと分かったという。3 記事の前書きは、「Tyrion」がフォー・テットのセットにほとんど欠かさず入る曲になったと書く。3
セットの中のエディット
同じ取材で、自分のDJセットについて問われたノリスは、客が踊るものなら何でもかけると答え、こう続けた。
"I love mixing the more heavy bass/percussion tracks with disco/ funk edits"(重いベースや打楽器の曲と、ディスコやファンクのエディットを混ぜるのが好きだ)3
危うい曲をあえて入れるDJの話をたくさん読んできて、自分もそうしている、とも話す。3 公式Bandcampの紹介文によれば、2015年のシングルは、ソシミの最新アルバム『You No Fit Touch Am』からの三枚目のシングルで、オフリンのエディットは4分35秒と表示される。2 最初の盤を出したその年に、オフリンの名は、フェラ・クティ(Fela Kuti)に選ばれてバンドに加わった人の曲名の横に並んだ。32
出典・注
[1] Christian Eede, Get to know O'Flynn, the Four Tet and Bonobo-approved artist making drum-led dancefloor bangers, Mixmag、2019年9月6日。2015年5月の配信でのプレイと反響(記者の地の文)、Blip Discsの資金と店回り(本人の回想と記者の地の文)。
[2] E Go Betta (Mixes), Dele Sosimi公式Bandcamp。released September 11, 2015、O'Flynn Edit 04:35、レーベルの紹介文(アルバムからの三枚目のシングル、オフリンを「rising star」、Blip Recordingsの人とする記述、ソシミの経歴)。エディットがどの録音から作られたかは書かれていない。オフリンをB. Norrisとする根拠は、2017年の再編集の表示による(E Go Betta (O'Flynn Re-edit)、Dele Sosimi公式Bandcamp、released March 10, 2017、クレジット「D. Sosimi | F. Elias | B. Norris」)。同じ紹介文はWah Wah 45s/Kudosの単曲ページにもある。
[3] London Spotlight: O'Flynn, Stamp The Wax、2016年4月6日。前書き(記者の地の文)と本人の回答(直接引用はここから)。