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2022年3月24日 追加

microsono

Flavien Berger / radio contre-temps ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 2 分

途中経過のまま出した盤で、構造を持つと本人が言った曲

2019年7月15日、雑誌TSUGIのロリータ・マン(Lolita Mang)は、フラヴィアン・ベルジェ(Flavien Berger)が出したばかりの『radio contre-temps』を、前作の録音の時期に作られた未発表の曲を集め、歌い手自身の解説を添えた不意打ちのアルバムと紹介した。1 公式Bandcampの紹介文によれば、18曲は2018年、のちにアルバム『Contre-Temps』になるものを試していた頃のものだ。2 記者が、この盤は前作よりずっと言葉が少ないが、意図か、それとも未完成だからかと尋ねると、ベルジェは、どの曲もいま固まった状態のまま意図したものだと答え、構造を持った本当の完成品に似ている二曲として「l'araucaria」と「microsono」を挙げた。1

送っていた途中経過

同じ取材でベルジェは、この盤はほかのアルバムのように前もって計画したものではないと話す。『Contre-Temps』を準備していた頃、田舎の家や両親の家で作業し、途中の段階を身近な人や、レーベル、ブッキングの担当、出版社に送っていた。当時は未完成だと思ってアルバムに入れなかったが、その後一度も手を加えていないのだから、実は完成していたのだという。出すと決めるまでは二週間で、以前は身近な人に向けて話していたところを、聴き手に向けるように少し編集し直した、とも話している。1 Bandcampの紹介文も、解説を付けた曲をレーベルに送るのが彼のやり方だと書く。2

二番の歌詞のない盤

二曲を挙げたすぐあとで、ベルジェは自分の書き方を説明する。よく最初の4行を書き、それから二番の歌詞をどうするかを考えるのだという。そして、曲を名指さずに、この盤全体についてこう続けた。

"j'aime l'idée qu'il n'y est pas de deuxième couplet !"(二番の歌詞がないという考えが好きなんだ)1

それで舞台裏が見え、その舞台裏だけで足りるのかを考えるようになった、という。1 同じ取材で彼は、小さい頃からインタールードやイントロ、アウトロのような、シングルでない曲ばかりのコンピレーションを作っていたと話し、ここがサビ、ここがブリッジという札の立っていない、形の定まらない曲に惹かれると言う。出来事が少ないほど、耳は音の細かな刻みを眺める時間を持てるからだ。1

18曲のうちの6分35秒

盤には7秒、14秒といった断片も並ぶ。「microsono」は10曲目で6分35秒。マスタリングはアレックス・ゴーファー(Alex Gopher)だ。2 札の立っていない曲を好み、二番の歌詞がないことを楽しむと話した盤で、彼が構造を持つと言った二曲の一つが、18曲でいちばん長いこの曲だった。

出典・注

[1] Lolita Mang, « radio contre-temps » : on a rencontré Flavien Berger pour parler de son album-surprise, d'invincibilité et de « Bioman », TSUGI、2019年7月15日(フランス語)。前書き(記者の地の文)と、ベルジェの回答(計画していなかったこと、途中経過を送っていたこと、二週間での決定と編集、「l'araucaria」と「microsono」を挙げた箇所、二番の歌詞の話〔直接引用はここから。原文の綴りのまま〕、形の定まらない曲を好む話)。「microsono」について本人が語るのは二曲を挙げた一文だけで、残りは盤全体や一般についての話。

[2] RADIO CONTRE-TEMPS, Flavien Berger公式Bandcamp。released July 5, 2019、18曲の曲目と長さ(10. microsono 06:35)、クレジット(mastering alex gopher)、アナログ盤の紹介文(2018年の18曲、解説付きの曲をレーベルに送るという説明。レーベル側の文)。

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