島のライブで、いちばん短い一曲
メルボルンの4人組マイルドライフ(Mildlife)が2021年3月10日、船でサウス・チャンネル島(South Channel Island)に渡って演奏したライブは、翌2022年4月29日に8曲の2枚組として出た。公式Bandcampの曲目では、ほかの7曲がすべて7分から12分に伸びている。その中で2曲目の「Vapour」だけが4分34秒と、スタジオ盤の4分22秒とほとんど変わらない。12
録音が次の手本になる
「Vapour」は、2020年9月18日に出た2枚目のアルバム『Automatic』の2曲目だ。2 その盤のレーベルの紹介文(宣伝文)には、ヴォーカルのケヴィン・マクダウェル(Kevin McDowell)の言葉が引かれている。
"The recorded songs kind of become the new reference point for playing the songs live"(録音した曲が、ライブで弾くときの新しい基準のようになる)2
ライブと録音は結果が違い、それぞれに合わせて決めるが、互いに影響し合い、ライブから録音へ、また録音からライブへと自然に流れる、と彼は続けている。2 同じ紹介文は、デビュー作『Phase』が2018年、心の開かれたDJやディガーのあいだで口コミで広がったと書き、DJハーヴィー(DJ Harvey)が「The Magnificent Moon」を自分の編集盤に入れたことも挙げている。2
7分のリミックス
アルバムに先立って、「Vapour」は2020年8月27日に3曲のリミックス盤になった。グラスゴーの二人組Optimo Espacioの片方、JD・トゥイッチ(JD Twitch)の版が7分23秒、Classic Album Sundaysを始めたコリーン・“コズモ”・マーフィー(Colleen 'Cosmo' Murphy)のCosmodelica名義の版が7分18秒。紹介文(宣伝文)は、マーフィーの版を原曲に忠実なままダンスフロアの力を足したもの、トゥイッチの版をリズムにポストパンクの騒がしさを加えたものと説明する。3
島で
島での演奏は撮影もされ、映画と2枚組の盤になった。紹介文によれば、島には19世紀の要塞と地下のコンクリートの通路が残り、アワビの密漁者やコガタペンギン、オットセイも訪れる。1 録音とミックスはナオ・アンザイ(Nao Anzai)、打楽器にクレイグ・シャナハン(Craig Shanahan)が加わった。1 メルボルンの知られたグループの奏者たちが名を伏せて録った計画に、マイルドライフの名が挙がることは「Cold Vein」のエッセイに書いた。
リミキサーの手で7分を超えた曲は、4人が島で弾き直したとき、10分を超える「Rare Air」や「Air」と同じ盤の上で、録音とほぼ同じ4分半に収まった。13
出典・注
[1] Live from South Channel Island, Mildlife公式Bandcamp。released April 29, 2022、8曲の曲目と長さ(2曲目 Vapour 04:34、1曲目 Rare Air 10:31、8曲目 Air 12:03ほか)、紹介文(2021年3月10日、船で渡った演奏、撮影と2枚組、島の要塞・通路・訪れる生き物)、クレジット(4人の名、打楽器、録音とミックス)。発売の告知はHeavenly Recordingsにもある(70分の映画、4月29日発売の予定)。
[2] Automatic, Mildlife公式Bandcamp。released September 18, 2020、2曲目 Vapour 04:22、レーベルの紹介文(宣伝文。マクダウェルの言葉〔直接引用はここから〕、『Phase』の口コミ、DJハーヴィーの編集盤)、クレジット。マクダウェルの言葉は盤全体についてで、「Vapour」の名は出ない。
[3] Vapour Remixed, Mildlife公式Bandcamp。released August 27, 2020、3曲の長さ、紹介文(宣伝文。リミキサーの紹介と各版の説明)、クレジット。