トーク ・ DJ と職業音楽家
学生街の喫茶店 — ガロ
DJ3月7日は「ぼくの好きな先生」「なごり雪」「学生街の喫茶店」など、十曲を選んでる。ガロはこの一曲。入力の盤名は『GARO 2』だね。
音楽家大野真澄の回想を読むと、最初からライブで育てていた曲ではないんだね。ヒットの兆しが出て、ようやくステージでやるようになったと言う。
DJ野添梨麻が番組の証言をまとめたnoteでは、本人は難しい歌だと思っていて、最初はヒットするとも思わなかったと話してる。知名度から曲に入ると、意外な話だ。
音楽家僕は、歌い手が難しいと感じたところへ耳を向けたい。知っている題名でも、歌をどう運ぶかまで聴くと、別の関心が生まれる。
DJ後編では、シングルのために作った曲というより、当時の感覚ではたまたまB面に入れた、と。A面は「美しすぎて」だったと言う。
音楽家一番前に出すつもりの曲でなくても、聴かれ方が変わる。僕ならその二曲を並べて、盤の片面ずつをどう聴かせようとしたか考えてみたい。
DJSonyの『GARO 2』再発紹介にも、もとはB面曲で、アルバム発売の翌年、1973年にシングルチャート一位になったとある。盤では三曲目に載ってる。
音楽家B面、アルバムの三曲目、ヒットしてからのステージ。同じ曲でも置かれる場所が動くんだね。僕はまず、盤の中の一曲として聴いてみる。
DJ僕なら夕方のセットで、この日に選んだ「なごり雪」と「学生街の喫茶店」を、一曲ずつ歌に時間を取って聴かせるところに置く。題名を見てすぐ次へ渡さず、最後まで取る。
音楽家僕はそこで、大野が今も心して歌わないと外れると話す、その緊張を手掛かりに聴きたい。本人は歌うたびによくできた曲だと感じる、とも言ってる。
DJ同じ回想には、ヒットによっていろんな意味で縛りがきつくなったという言葉もある。うまくいった曲を、ただ喜んで終える話じゃない。
音楽家曲への評価と、グループが進みたい方向は別なんだね。僕は、その難しさを抱えた歌い手が一曲をどう届けるかに関心がある。
DJSonyの紹介では『GARO 2』は、前半に外部作家の曲、後半に洋楽カバーを並べた盤。大野の回想でも、二枚目で既成の作家が入ることに抵抗し、自分たちのオリジナルでやりたかったと話してる。
音楽家それなら三曲目だけでなく、盤の前後も聴きたい。自分たちで作りたいという人たちが、別の作り手の曲やカバーをどう演奏するか。その並びにも仕事が見える。
DJSonyが記す元アルバムの発売は1972年6月25日。その曲を2023年3月7日に選んでる。昔のヒットの話から来ても、ライブラリではこの日の一曲になる。
音楽家今日は「学生街の喫茶店」を、歌い手が難しいと感じた曲として聴こう。そのあと「美しすぎて」と盤の後半へ進む。ヒット曲の名前から、演奏する側の迷いまで辿れる。