トーク ・ DJ と職業音楽家
DESTINATIONS — 道具を作り直す時間
DJこの日はBarry Can’t Swimの「How It Feels」、ANOTRとAbel Balderの「Vertigo」、それから「DESTINATIONS」を選んでる。三曲の中にMild Mindsの名前を残した日だ。
音楽家EDM IdentityのKellie Boberekは、この曲について本人が、孤独が制作を助けたと語った、と紹介している。創作者として大切にしている感覚だという。
DJその記事は曲を、新しい行き先へ運ばれるようだと評してる。一人で作る時間から、聴く人がどこかへ動く感触が生まれる、という読み方ができるね。
音楽家僕はその間が気になる。一人でいたという事情だけで音を説明し終えず、出来上がった曲がどんな順序で聴く人を進めるかを追いたい。
DJStereofoxのインタビューでは、盤「MOOD」を作っていた頃の話もある。本人は2017年頃、他人の期待を追っていると感じて、音楽を作る道具を作り直したと言ってる。
音楽家僕には道具を作り直す、というところが切実だ。操作するたびに誰かの期待へ向かう道具だったら、そこから触り直したい。本人はゆっくり取り組んだと話している。
DJ楽しんで、最初に音楽を始めた子供のような場所から作る。外の意見を入れすぎず、その状態へ入るために自分を隔てる、という盤の話だ。
音楽家仕事をしていると、完成させることばかりを先に考えがちだから、その言葉は気になる。僕は、遊ぶ余地を取り戻した作り手の曲として「DESTINATIONS」を聴いてみたい。
DJ曲別の配信欄には、Benjamin PlantがProducerとComposerLyricistとして載っている。Mild MindsはMainArtistだ。
音楽家制作の名前が見えると、道具の話から曲へ戻りやすい。どんな機材だったかを当てるより、その人が決めた音の組み合わせを聴きたいね。
DJ僕なら夜のセットで、次の曲へ急がず一曲を置くところに「DESTINATIONS」を入れる。同じ日に選んだ「Vertigo」のあとで、四分四秒を使う。
音楽家僕は曲の始まりから終わりまでを聴きたい。単独で聴くときと、君のその並びで聴くときも比べたいな。
DJこのライブラリではMild Mindsの追加は一件。まとめて盤を選ぶ形ではなく、三曲を選んだ日に「DESTINATIONS」という曲名を一つ残してる。
音楽家その一つから盤の作り方まで辿れるのがいいね。僕も曲を先に選んで、そのあと作り手の道具や仕事の話へ戻りたい。
DJ2020年の盤と制作の話に、2023年8月の選曲から入っていく。発表された時期から時間が空いても、この日の一曲として選べる。
音楽家今日はその四分を通して聴こう。作り直した道具の話を思い出しながら、一人で大切にした制作の時間が、聴く側へどう届くかを確かめたい。