トーク ・ DJ と職業音楽家
She's On My Mind — Romy
DJ10月23日に選んだ一曲はRomyの「She's On My Mind」。この日の追加はこれだけ。『Mid Air』の掲載発売日、9月8日から四十五日後だ。
音楽家Romy本人が話す置き場所がいい。夜の終わりに流れて、照明がつき、プレッシャーがなくなったときの曲にしたかった、とDIYに語ってる。
DJ僕もこれは、セットの最後、照明がついてからの一曲に置く。本人が考えた、もう力を入れなくていい時間を選曲に持ってくる。
音楽家僕は、その時間を先に思い描いて作るところに惹かれる。盛り上がりの高さだけでなく、踊っていた人が肩の力を抜く場面を曲の目標にできる。
DJDIYの記者は、この曲のピアノを、シンコペーションするABBA風の和音と書いてる。本人の夜の終わりという話の前に、鍵盤の具体がある。
音楽家その評から原曲を掘るなら、僕は鍵盤の刻み方を入口にする。夜の最後をどう作るか、言葉の狙いと演奏の組み立てを行き来したい。
DJYoungの履歴を辿ると、人をつなぐ仕事も見える。RomyがBeatportalで話すには、Stuart Priceとの共作を最初に提案したのはCaius Pawson。そこからZoomで話したという。
音楽家一緒に作る前に、話せる相手を見つける仕事があるんだね。レーベルの名前から、実際に二人を引き合わせた人まで近づける。
DJこの曲のQobuz欄にもStuart Priceがいる。プロデューサー、プログラマー、ミックスなどの役割が並ぶ。Romy自身もプロデューサーとして載ってる。
音楽家僕はRomyの制作側の名前も一緒に読む。夜の最後をどうしたいか話す人が、プロデューサー欄にもいる。その狙いを誰と作ったか、クレジットから追える。
DJ『Mid Air』の曲目では「Enjoy Your Life」の次、十一曲目がこれ。DIYもこの二曲を、アルバムの終わりの一組として紹介してる。
音楽家最後の一曲だけでも選べるし、一つ前から辿って盤の終わり方にも進める。僕なら本人が話した照明のつく場面を、まずこの二曲の並びで考えたい。
DJ同じ曲別欄のマスタリングにはEmily LazarとChris Allgood。引き合わせの話から始めると、最後に仕上げる人の名前まで続く。
音楽家僕は、本人の狙いと担当の名前を並べて読めるのが嬉しい。誰がどの音を決めたかはまだ分からないけれど、次に辿る作業の相手が見えてくる。
DJ追加のあとの12月11日には、The FADERがこの曲の映像を紹介してる。監督はVic Lentaigne、出演はMaisie Williams。一曲の日から、別の表現へも進める。
音楽家夜の終わりを思い描く本人の言葉から、盤の最後、曲の担当、映像の二人へ。僕はまずRomyが想定したその時間から、この一曲を掘りたい。