店も曲名に自信がなかった、9分の錬金術
レコード店Boomkatは、バウルット(Bawrut)の『Rumba EP』の商品ページの紹介の最後に、星印を付けてこう断った。
"Track names are quite possibly wrong."(曲名はたぶん間違っている)1
音はすごくいいけれど、とBoomkatは続ける。その紹介では、裏面の2曲の一つ「Tano」を「ひどく生意気なエディット」と呼び、SoundhackとPowellをコカインとワインで酔わせて混ぜ合わせたような曲だと書いた。1 何のエディットなのかは書かれていない。
同じ紹介文でBoomkatは、バウルットを、リーズの雑誌兼パーティー兼レーベルRansom Noteの「頼れる男」と呼んでいる。1 レーベル自身の紹介文によれば、2016年に出した彼の「Ciquita」はレーベル最初の12インチで、1か月で売り切れ、Jackmaster、Optimo、Boys Noize、Alfredoまで、幅広いDJにかけられた。2 次のEPは発売前からErol Alkan、Lena Willikens、Cosmo Vitelliらの支持を受けていた、とレーベルのニュースは伝える。3 そのレーベルが「Tano」をこう紹介している。
"Tano is an alchemical concoction, transmuting handclaps, chirrups, chants, 303s, and deep state meditation into a starburst explosion of unfettered joy."(Tanoは錬金術の調合物だ。手拍子、鳴き声、詠唱、303、深い瞑想を、はじけ飛ぶ抑えのない歓びへと変える)3
デジタルは2017年1月9日に出た。Beatportの表示では9分7秒、123 BPM、B♭メジャー、ジャンルの欄はHouse。4 Discogsは盤のスタイルをAcid House、Houseとしている。5
バウルット自身のFacebookページには、アンドリュー・ウェザオール(Andrew Weatherall)がRansom Noteの仲間のパーティーで「Rumba」と「Tano」をかけている、という題の動画がある。6 店が曲名に自信を持てなかった曲を、本人は「Tano」の名で、ウェザオールを「巨匠」と呼ぶ題とともに残している。
出典・注
[1] Bawrut - Rumba EP, Boomkat, 商品ページの紹介文、発売日2017年1月9日の表示。引用、「Tano」の評、裏面の曲であることに使った。紹介文の曲名にはすべて星印が付き、末尾の注で曲名が間違っている可能性を断っているので、評と曲の対応は確実ではない。紹介文はレーベルの最初の盤を「Chiquita」と綴る。
[2] BAWRUT/Rumba EP/RANSOM NOTE RECORDS, Phonica Records, 商品ページ。レーベルの紹介文(「we released」と一人称で書かれた文)の転載で、「Ciquita」の売れ行きとかけたDJに使った。予約品として12インチの入荷予定を2017年1月31日と表示。この文ではバウルットを「Italian man of mystery」、Ransom Noteのニュース([3])では「The Madrid based musician」と紹介している。
[3] Bawrut To Release The Rumba Ep On Ransom Note Records, The Ransom Note。発売前のDJの支持と「Tano」の紹介の引用に使った。レーベル自身のサイトのニュースで、掲載日の表示はない。「Tano」の紹介は[2]と同じ文で、独立の資料には数えない。DJの支持はEP全体についての話。
[4] Tano (Original Mix), Beatport, 曲のページの表示。長さ・BPM・キー・ジャンル・発売日。レーベル表記はRan$om Note。Appleでは3曲目、547,819ミリ秒。
[5] Bawrut - Rumba EP, Discogs, マスターの登録(カタログのデータでの照合)。スタイルの表示。
[6] Bawrut, Maestro Andrew Weaterhall with Rumba and Tano x Ransom Note familia party, Facebook(本人のページ)。動画の題(綴りは原文のまま)に使った。動画そのものは見ておらず、投稿日も取れなかった。