昔のアルバムに似ていたから、同じ声を呼んだ
ボンベイ・バイシクル・クラブ(Bombay Bicycle Club)のギタリスト、ジェイミー・マッコール(Jamie MacColl)は、ツアーの休みの日にバーミンガムから取材に答えていた。2024年2月2日、新しい単曲「Willow」が出た日の音楽誌Dorkの記事だ。ルーシー・ローズ(Lucy Rose)に歌ってもらった理由を、彼はこう話す。ルーシーとジャック(ボーカルのジャック・スティードマン)の声はとてもよく合って、今ではまったく力みなく聞こえる、と前置きしてから。1
"'Willow' reminded us a bit of the songs on 'A Different Kind Of Fix', an album Lucy was very involved in making, so it felt natural to ask her to sing on it."(「Willow」は『A Different Kind Of Fix』の曲に少し似ていた。ルーシーが作るのに深く関わったアルバムだから、彼女に歌ってもらうのは自然なことだった)1
十年ぶりの並び
同じ日のプレスリリースは、これをルーシー・ローズとの十年ぶりの再会と書いた。前に組んだのは、彼女が歌で加わった全英1位のアルバム『So Long, See You Tomorrow』で、「Willow」はあの頃の愛された音を、高く前向きに描き直したものだという。2 発表文が「あの頃」として挙げたのはこのアルバムで、マッコールが名を挙げたのはそれより前の、ローズの関わりが深かった2011年のアルバムだった。123
マッコールによれば、この曲自体は3、4年前からあった。前作『Everything Else Has Gone Wrong』が出たあと、最初に書いた曲の一つだという。何を歌った曲なのかと訊かれると、実は歌詞の意味をジャックに訊いたことがないと断ったうえで、自分の読みでは子ども時代の歌だ、と答えている。1
友だちが歌う盤
「Willow」は2月23日に出た4曲入りのEP『Fantasies』の3曲目に入った。2 バンドはこれを「Bombay & Friends」の盤と呼ぶ。どの曲でもバンドの親しい友人が一人ずつ歌っていて、ルーシー・ローズのように古くから近しい人もいれば、マティルダ・マン(Matilda Mann)のように新しく加わった人もいる。録ったのは前年のアルバム『My Big Day』と同じ頃で、ミックスも同じデイヴ・フリッドマン(Dave Fridmann)だ、とバンドは説明している。2 そのアルバムの幕開けの曲は「Just A Little More Time」だ。
マッコールは、友だちと組むいちばんいいところは、何層ものマネジメントやレーベルの人を通さずに話が決まることだとも言う。1 そしてEPの4曲について、あっさりこう言い切った。
"They're all quite classic Bombay Bicycle Club songs; we haven't reinvented the wheel!"(どれもかなり王道のボンベイ・バイシクル・クラブの曲だよ。車輪を発明し直したわけじゃない)1
発表文とマッコールでは挙げたアルバムが違っても、指しているのはジャックの隣にルーシーの声がある音のほうだ。二人の言葉を並べて引く読みで、バンドがそうまとめたわけではない。
出典・注
[1] Stephen Ackroyd, Bombay Bicycle Club: Friends and 'Fantasies', Dork、2024年2月2日。マッコールの言葉(声の相性、『A Different Kind Of Fix』との近さ、曲ができた時期、子ども時代という本人の読み、友だちと組むこと、「車輪」)とバーミンガムでの取材の場面に使った。子ども時代の読みはマッコール自身が「自分の解釈」と断ったもので、作った本人の説明ではない。Appleの登録値(MusicKit)では作曲者の欄はJack Steadman。
[2] Bombay Bicycle Club Sharing New Single Feat. Lucy Rose, Killbeat Music(宣伝会社のサイトに載ったプレスリリース)、2024年2月2日。十年ぶりの再会と『So Long, See You Tomorrow』、「あの頃の音」の描き直しという紹介、EPの発売日と曲順、「Bombay & Friends」についてのバンドの言葉、録音時期とフリッドマンのミックスに使った。紹介は宣伝文。カナダでの発売元はArts & Craftsと書かれている。
[3] How Bombay Bicycle Club's 'My Big Day' and 'Fantasies' fit together, Dork、2026年9月28日。『A Different Kind Of Fix』が2011年のアルバムであることに使った。[1]の談話を後から引き直した記事なので、談話そのものは[1]から引いた。