トーク ・ DJ と職業音楽家
The Stars - DJEFF Remix — 断ったあとに生まれた版
DJこの日の八曲には、「Yne」も「The Stars - DJEFF Remix」もある。こちらはDJEFFの名前が付いた版を選んでいる。
音楽家Xinobiの話では、DJEFFがインストゥルメンタルをよくかけて、どれほど気に入っているかを伝えてきた。それでリミックスを頼んだという。
DJところが最初は断られた。Xinobiによると、DJEFFは完璧だと感じる曲をリミックスできないと言ったんだって。
音楽家気に入ったことが、すぐ作り直す理由にはならなかったんだね。僕はその断り方に関心がある。変えるところを見つけてから引き受けたい、という判断として読める。
DJその後、アイデアが浮かんでステムを求めた。完成したリミックスをXinobiは気に入ったと話している。
音楽家依頼の返事より、素材を求めたところで仕事が動く。僕はここから聴きたい。どんな発想なら、好きだった曲にもう一つの版を作れるのか。
DJDiscotexasの紹介は、Xinobiが原曲の精神を保ちつつ、音の面で際立った仕事を称えていると書く。単に違うものになった、という褒め方じゃない。
音楽家僕なら原曲と続けて聴いて、残したものと変えたものを追う。完成した版への作り手の評価が、その聴き比べを面白くするね。
DJDJEFFは2018年のElectronic Grooveの取材で、ジャンルは音楽を話すためのラベルだと語っている。違いより共通するものの方が多い、と。
音楽家その考え方も持って聴こう。僕は先にジャンルを決めるより、原曲を好きだった人が何を選んで足したのかを追いたい。
DJライブラリでは2022年に、XinobiとMeta_の「La Tormenta」をMoullinex Remixで選んでいた。今回は同じ二つの名義に、DJEFFの版名が付く。
音楽家曲が違っても、誰の作り直した版を残したかで辿れるんだね。僕はこの二曲を聴き比べて、原曲との距離の取り方に耳を向けたい。
DJ僕なら夜のセットの中盤、リミックスを一曲通して聴かせるところに、この四分五十九秒を置く。
音楽家僕は最初から終わりまで聴きたい。ステムを頼むに至ったアイデアが、曲の中でどう展開するのかを追うために。
DJBandcampの発売表示は7月5日。ライブラリがこの版を選んだのは7月11日だ。DJEFFの入力は、この一件に残っている。
音楽家まずその一曲から始めよう。断ったという話があるからこそ、その後に作った版の決断を聴くのが楽しみになる。