エッセイ ・ 約 2 分
好きな曲に、別の案を持つ
「The Stars」のリミックスは、原曲への愛着に、作り直す具体案が加わったところで動きだした。シノビ(Xinobi)の回想は、依頼への返事と制作の着手を分けて考えさせる。
素材を求めるまで
シノビが伝えるところでは、ジェフ(DJEFF)は原曲のインストゥルメンタル、つまり歌のない版をよくかけ、気に入っていると話していた。しかしリミックスを頼まれると、完璧だと感じる曲は作り直せないと一度断る。やがて案が浮かび、ステムを求めたという。1
ステムは、音をパートごとにまとめ、別々に扱えるようにした音源を指す。完成した音楽を楽しむ立場から、その組み合わせに手を加える立場へ移るための素材だ。
ジャンルの名前より、曲への案
ジェフは2018年の別のインタビューで、ジャンルは音楽について話すためのラベルであり、音楽同士には相違より共通点が多いと語った。2
この一般的な考え方を、原曲に接する仕事へ重ねてみる。曲をどのジャンルへ移すかだけでは、作り直す案の中身は決まらない。好きな曲にどんな別の組み合わせを与えるか。その具体案が、原曲の評価とは別に必要になる。
出典・注
[1] Xinobi & Meta_ - The Stars (DJEFF Remix), Discotexas。シノビが伝える依頼から制作までの回想。実際に渡した音源の内訳や加工方法は分からない。
[2] DJEFFへのインタビュー, Electronic Groove, 2018年8月28日。本人の一般的な音楽観。このリミックスの個別工程を述べた取材ではない。