トーク ・ DJ と職業音楽家
Funky Kingston — 譜面の外へ、曲の中へ
DJこの日は「Funky Kingston」に、SOFY、The Flying Stars Of Brooklyn NYとAaron Frazer、Pale Jayの曲を合わせて四曲選んでる。Toots & The Maytalsの追加は、この一曲だ。
音楽家1975年米盤のライナーを引いたuDiscoverの記事が面白い。制約的な譜面の音楽ではなく、草の根まで下りたファンキーな音楽だ、と盤が宣言していたという。
DJ一方で記事は、タイトル曲を抗いがたいほど引き締まった曲と評してる。盤の宣言と、一曲のまとまりを一緒に読めるね。
音楽家僕はそこを聴きたい。譜面に縛られないという言葉を、散漫という意味で受け取らず、どんなまとまりが生まれているかを追いたい。
DJ同じ曲評では、ファンクやR&Bを自然に吸収して、レゲエを初めて聴く人にも届く曲と書いている。
音楽家ジャンルの札を順番に確かめるより、どんなふうに一曲として繋がっているかに耳を向けたいね。評者のその言い方が、聴き始める手掛かりになる。
DJただ、この盤名には履歴がある。記事が説明する1975年米盤は、同じ名前の1973年盤と「In the Dark」から選び、「Pressure Drop」を加えた編集盤なんだ。
音楽家同じ題名でも、アルバムを組む仕事は別なんだね。僕は表題曲を一曲として聴いたあと、その盤の中へ戻してみたい。
DJ今回見たQobuz盤の曲別クレジットには、ProducerとしてWarwick Lynn、Chris Blackwell、Dave Bloxhamが並ぶ。BlackwellとBloxhamにはMixingEngineerの表示もある。
音楽家僕はその名前を辿りながら聴きたい。盤の宣言とともに、仕上げに関わる仕事の名前も残っている。誰がどこを判断したかまではまだ分かってないけれど。
DJQobuzでは三曲目に「Funky Kingston (Album Version)」が載っている。ライブラリに残ったのは四分五十六秒の「Funky Kingston」だ。
音楽家まずライブラリの一曲を通して聴こう。クレジットを見たことで、曲を支える制作とミックスの仕事にも耳が向く。曲の始めから終わりまで、その働きを追いたい。
DJ僕なら夕方のセットで、ファンクから歌のあるレゲエへ進むところに、この四分五十六秒を置く。一曲分を使って繋ぐ。
音楽家僕はその並びの中でも、単独でも聴きたい。違う曲に挟んだとき、記事がいうR&Bやファンクとの繋がりがどう受け取れるかに関心がある。
DJ2024年のライブラリは、盤名も曲名も「Funky Kingston」と残している。その一曲から、同名の盤を組み直した履歴まで辿れた。
音楽家今日は曲から始めて、そこから盤へ戻ろう。譜面の外にあると宣言された音楽が、一曲や一枚としてどうまとまるのか。その両方を聴く楽しみがある。