エッセイ ・ 約 2 分
作り直す曲が、誰の時間を受け取るか
ライブラリには、7分33秒と2分48秒の「Rise Up」が別の日に追加されている。同じ題名へ戻るとき、曲の長さとは別に、作り直しても残したいものがある。イヴ・ラロック(Yves Larock)の2021年の回想は、その判断を、聴き手の思い出と結び付けている。
原曲の魅力と、作り直す人の基準
The Nocturnal Timesのキャロライン・オキーフ(Caroline O’Keefe)は、2007年の原曲を、ソウルフルなグルーヴとジャバ(Jaba)の熱を帯びた歌声で紹介する。1 グルーヴは、リズムが生む動きや乗りの感覚を指す。歌声の表情とその動きの組み合わせが、この記者が捉えた原曲の魅力だ。
同じ曲だと気づく手掛かりは、メロディだけとは限らない。声とリズムの関係も、作り直した曲を原曲と比べる具体的な項目になる。
思い出を保ち、新しい時間へ渡す
ラロックは、ステフ・ダ・カンポ(Steff Da Campo)との2021年版について、原曲らしさを保ちながら、その時代の音にしたと話す。原曲を好む人には思い出を呼ぶからという人も多いとし、新しい版が別の人たちの思い出を作ることも望んでいる。1
出典・注
[1] Caroline O’Keefe, 2021年の「Rise Up」リワークをめぐるインタビュー, 2021年9月18日。原曲の評は記者、作り直しの方針はラロック本人の発言。ライブラリの二つの録音と2021年版との対応、二つの長さの編集上の関係は確認できていない。