トーク ・ DJ と職業音楽家
Far Away — The Avalanches feat. John Glacier & Khadija Al Hanafi
DJライブラリの新しい方に「Far Away」がある。ライブラリの記録では、MXGPU、Moullinex、GPU Panicの「all the love」も同じ日付になってる。Avalanchesには、John GlacierとKhadija Al Hanafiの名前が並ぶ。
音楽家本人たちはこの曲を、Johnと制作したロンドンの夏に結びつけて話してる。夕方の光、友人と音楽を浴びる時間、夢を共有しているような感覚を捉えた曲だという。
DJStereogumのTom Breihanは、Johnの眠たげで抑揚を抑えた声と、駆けるドラムとの対比に曲の力を見る。本人たちの夏の話とは、別の角度からこの曲へ入れるね。
音楽家僕は、その声とドラムの組み合わせを聴きに行きたい。片方だけを追うのでなく、声の調子とリズムの進み方を一緒に確かめたいんだ。
DJRobbie Chaterは、Khadijaのサンプルを扱う手腕に再び刺激を受けた、とも話す。アルバムで一緒に作る喜びを語っていて、「Far Away」の配信creditにもKhadijaがProducerとして載る。
音楽家作ってきた人が、相手のやり方でまた動き出す。その言葉がいいね。曲のcreditはJohnがVocalist、KhadijaがProducer、Robert ChaterがProducerとMixingEngineer。声を担う人と、作り、混ぜる人の名前を辿れる。
DJこの人たちには、以前の制作の話もある。2020年の『We Will Always Love You』では、Chater、Tony Di Blasi、Andy Szekeresの三人で、一日中サンプルを送り合っていたとChaterがMusicTechで話してる。
音楽家Pro Toolsから鳴る音を携帯で撮って送り、仲間の案を引き出したとも話す。僕には、そのやり取り自体が制作の手触りとして面白い。完成したファイルだけでなく、作っている途中を渡していたんだね。
DJ大学ラジオWRUVのBrendan Delaneyは、Jamie xxが好きな人にもこの曲を薦めてる。ライブラリでも2024年8月5日に、Jamie xxとAvalanchesの「All You Children」を選んでる。
音楽家共作した一曲から、今回はAvalanches側の曲へ進める。薦める人の名前の並べ方と、ライブラリに残る共作の題名が、違う道から繋がるね。
DJ僕なら「Far Away」は夕方から夜へ移るセットに置く。Breihanが書く声とドラムの対比を聴かせたいし、本人たちが語る、友人と音楽を浴びる時間にも寄せたい。
音楽家僕はそこで、本人の記憶がどんな音の組み合わせになったのかを追いたい。制作した時間の話と、評者が拾う声やリズムを行き来すると、聴く焦点が具体的になる。
DJこの夏のライブラリでは、7月28日にKaren Oとの「Blue Shadows」、8月20日にPortraits Of Tracyとの「Can't Get Over Losing You」も選んでる。そして今回はJohnとKhadija。同じ名義へ戻るたび、隣にいる人が変わる。
音楽家題名に残る相手の違いも、次に掘る手掛かりになる。今回は、Johnと過ごした夏の話と、Khadijaから刺激を受けたというChaterの話。その二人を迎える意味から聴き始めたいね。
DJ掲載シングルは二分四十秒。ライブラリの2021年にはCola Boyyとの「Don't Forget Your Neighborhood」もある。短いこの曲から戻るだけでも、別の共作がいくつも見つかる。
音楽家僕はまず、二分四十秒にある声とドラムの対比を確かめる。そこからKhadijaの仕事、Johnと制作した夏、以前の三人のやり取りへ進む。一曲を聴くための具体的な人と作業が、もう揃っているね。