ピアノの和音と、別の音が担う旋律
ピアノを好む作り手の曲で、ピアノはどんな役目を担うのか。ノラ・アン・ピュア(Nora En Pure)の「Sweet Melody」を紹介するEnormous Tunesの文章は、ピアノを和音の土台として描き、旋律には別の音も挙げている。1
音を重ねる役目、音を順に並べる役目
レーベルは、ピアノの和音の上にジャズ風の短い声のフレーズを置き、1970年代風のアナログ・シンセによるアルペジオと、チャイムのフレーズを組み合わせる曲として紹介した。1
和音は複数の高さの音を重ねたもの、アルペジオは和音の音を一つずつ鳴らす形だ。同じ和音を扱っても、まとまりとして響かせるのか、音の列として動かすのかで役割が変わる。この紹介では、ピアノとシンセを楽器名だけで分けず、土台と動きという関係で捉えられる。
好きな楽器にも、曲の中の持ち場がある
2014年のマシュー・ディーコン(Matthew Deacon)との取材で、ノラは幼少期にフルートを吹き、ピアノを弾いたと回想した。さまざまな楽器の音が身近にあり、電子音楽にもそれらを使うのが好きだという。中でもピアノを好み、深い感情を呼び起こせる楽器だと語る。2
別の取材では、ピアノの温かな音を好む一方、弦の音には劇的な感じ、ボンゴには心地よい気分を求めると話した。3 楽器の違いを、表せる雰囲気の違いとして捉えている。
ピアノを中心に考えることと、ピアノだけに旋律を任せることは別だ。
出典・注
[1] Sweet Melody, Beatport掲載のEnormous Tunesによる曲の紹介。演奏者を示すクレジットではない。
[2] Matthew Deacon, Lost In Time With Nora En Pure, Think In Electronic、2014年7月14日。楽器についての一般的な本人談。
[3] Mike Mettler, Nora En Pure interview, Digital Trends、2016年2月5日。一般的な楽器観で、この曲の演奏担当を説明したものではない。