古い曲を、いま選び直す
リック・ウェイド(Rick Wade)の「Can’t You See」は、Robsoulの『Players Theme』に2曲目として載る。公式ページの発売表示は2013年3月8日、流通元WordAndSoundには同じ盤の2024年の再プレスが案内される。12 再び盤として送り出すことは、過去の音楽から何を選ぶかという判断でもある。
カセットを持ち寄った店
2012年のMiami New Times取材で、ウェイドは1990年代初めに働いていたRecord Timeを振り返った。DJや制作者がレコード店へ集まり、カセットで互いの曲を流し、批評や提案を交わしていたという。マイク・ハッカビー(Mike Huckaby)から、ベースラインを加え、キックを強くするよう具体的に助言されたことも話している。3
レコードを選ぶ店が、作りかけの音へ意見を交わす場にもなっていた。
年代と、求められる音の違い
同じ取材でウェイドは、1999〜2000年頃に古過ぎるとして断られた作品がある一方、2012年にはレーベルからもっと90年代らしい音を求められる、とその落差を語った。昔の機材で当時作った曲を送っても、十分に90年代らしくないと言われることさえあったという。3
録音の年代と、聴き手が求める年代のイメージは一致するとは限らない。店で仲間が具体的な音へ提案したことと、後年のレーベルが時代の感じを求めたことは、どちらも選ぶ判断だが、尺度が違う。
出典・注
[1] Rick Wade — Players Theme, Robsoul公式、RB119。曲目は5:05と表示。
[2] Rick Wade — Players Theme, WordAndSound。2024年9月20日付の再プレス案内。
[3] Sean Levisman, Rick Wade on EDM, Miami New Times、2012年6月28日。本人の一般的な活動回想。