My Music Research10 年分のライブラリを、追加日順に
2016年12月22日 追加

For Real

Mallrat / Kitsuné Hot Stream: For Real - Single ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 2 分

声の動きと、伴奏の軽さ

モールラット(Mallrat)の「For Real」を読む二つの評は、声の歌い方と、伴奏の組み合わせへそれぞれ目を向ける。歌とラップの間を動く声は、どんな伴奏の上に置かれているのか。声と伴奏を分けると、二つの評の着目点が見える。

声の幅を支える三つの音

Stereogumのコリン・ロビンソン(Collin Robinson)は、モールラットの声を、歌、節を付けたラップ、ラップの間に幅を持つものとして紹介する。「For Real」では、80年代のダンス音楽を思わせるピアノのリズム、シンセの低音、乾いたドラムが、その柔軟な歌い回しを支えると評した。1

伴奏を挙げるこの評は、声の多様さを歌唱の分類だけで説明しない。

穏やかさと、弾む感じ

Howl & Echoesのジェシカ・テスタ(Jessica Testa)は、同曲のクリック音とピアノの組み合わせを、穏やかでありながら快活な音として描く。2 声の形式ではなく、伴奏の二つの音から、曲の感じを捉えた評だ。

ロビンソンが注目する歌い回しの幅と、テスタが捉える穏やかさは、曲の同じ部分を指してはいない。声の動きが多様でも、伴奏の印象まで落ち着かないものになるとは限らない。この曲を読むとき、声がどのように身ぶりを変えるかと、その足元をどんな組み合わせが支えるかを、別々に問える。

出典・注

[1] Collin Robinson, Mallrat — For Real, Stereogum、2016年7月7日。歌い回しと伴奏への評。

[2] Jessica Testa, Review: Mallrat — Uninvited, Howl & Echoes、2016年7月1日。EP評中の「For Real」の記述。

← この曲のページへ