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2017年3月14日 追加

Oh Devil

Electric Guest / Plural ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 3 分

冗談のつぶやきが、サビに残った

「Oh Devil」のサビには、もともと聞き取れる言葉がなかった。2017年6月、ユニバーサル・ミュージック・カナダの発表で、エレクトリック・ゲスト(Electric Guest)のエイサ・タッコーン(Asa Taccone)はこう明かしている。

"the chorus had some inaudible mumbling that I had sung as a joke"(サビには、冗談で歌った聞き取れないつぶやきが入っていた)1

二人はそれをいじってサンプルのように聞こえる音にしたが、ずっと、もっとはっきりさせたかったという。ジャマイカのテレビ番組「Magnum Kings & Queens of Dancehall」でデヴィン・ディ・ダクタ(Devin Di Dakta)を見て気に入り、つぶやきに歌詞を付けて送ると、彼はジャマイカで録音して返してきた。この発表が知らせたのは、そうしてできた「Oh Devil (Radio Version)」だった。1 2月に出たアルバム『Plural』に入っているのは、それより前の版だ。12

一度しまい込んだアルバム

エレクトリック・ゲストは、歌のタッコーンと、ドラムのマシュー・コンプトン(Matthew Compton)のロサンゼルスの二人組だ。13 2012年のデビュー作『Mondo』はデンジャー・マウス(Danger Mouse)が制作した。34

2017年8月、RIFFのローマン・ゴークマン(Roman Gokhman)の取材によれば、二人はその1年半前に、デビュー作よりずっと沈んだ次作を仕上げていた。友人やレーベルの幹部に聴かせると暗すぎると言われ、幹部からは「もっと書いてこい」と促された。『Plural』の11曲のうち、その録音から残ったのは「Zero」と「Glorious Warrior」の2曲だけだという。4 「Oh Devil」はそこに入っていない。

同じ記事によれば、今回デンジャー・マウスの関わりは全体的な意見にとどまった。コンプトンは、自分たちのやり方で、求める音を確かめたかったと話している。記事では、歌詞の多くをタッコーンが書き、ギターやベース、鍵盤の多くをコンプトンが書き、制作の技術面はタッコーンが担ったとされる。4

評者が聴いた声

2017年3月、Metro Weeklyのショーン・モーニエ(Sean Maunier)は、二人だけで書き、制作したこのアルバムでは、前作に満ちていたファルセットが控えめになり、地声が前に出たと書いた。オートチューンも時おり使われるが、抑えて目的をもって使われている、という。3 Spillのライアン・フィリップス(Ryan Philips)は、盤全体を平均的と評しながら、「Oh Devil」と「Zero」を、二人が穏やかで耳に残る曲も書ける証拠に挙げた。5

レーベルの紹介文は、このアルバムを、80年代のシンセからiPhoneのドラムマシン、カリブの打楽器まで重ねた音と書く。1 地声が前に出たと評されたその盤で、「Oh Devil」のサビのタッコーンのつぶやきは、サンプルのような音に変えられて残った。13

出典・注

[1] Electric Guest Share New Version of "Oh Devil", Universal Music Canada(プレスリリース)、2017年6月20日。タッコーンの談話(直接引用はここから)、Radio Version の発表、『Plural』が2月に出たこと、盤の紹介文。

[2] Oh Devil - Electric Guest, Apple Music。『Plural』収録の版。表示は2017年2月10日、11曲中5曲目(曲順は同じカタログの検索API)、3:37。別に Radio Version の単曲が並ぶ。

[3] Sean Maunier, Electric Guest's "Plural" (review): Bright optimism belies troubled production, Metro Weekly、2017年3月2日。二人の担当楽器、前作の制作者、声についての評。

[4] Roman Gokhman, Interview: Electric Guest hits the reset button, RIFF、2017年8月8日。コンプトンへの電話取材。前の録音を見送った経緯、残った2曲、制作の分担は記者の地の文とコンプトンの発言。

[5] Ryan Philips, SPILL ALBUM REVIEW: ELECTRIC GUEST – PLURAL, The Spill Magazine。掲載日表示なし(2017年)。「Oh Devil」と「Zero」への言及。

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