アルバムの一曲目と、揃わない四つの表示
2018年1月19日、アイスランドのGusGusは、10枚目のアルバム『Lies Are More Flexible』を2月23日に自分たちのレーベルOroomから出すと告げ、その一曲目「Featherlight」を4曲入りのシングルEPとして出した。同じ告知は、リミックスのEPを2月9日に出すとも書いている。1 Beatportでは、そのEP『Featherlight (Remixes)』が2018年2月9日付で載る。アルバムより二週間早く、一曲目が四人の手でもう一度出たことになる。2
四つの表示
Beatportの表示では、四つのリミックスは長さもジャンルも揃わない。アレックス・バンクス(Alex Banks)の版は7分32秒、133BPMのElectronica。METODI(Metodi Hristov)の版は7分12秒、125BPMのTechno (Peak Time / Driving)。ヨハネス・ブレヒト(Johannes Brecht)の版は6分9秒、123BPMのMelodic House & Techno。Attmossの版は5分35秒、117BPMのElectronicaだ。2 同じ店でアルバムの「Featherlight」は117BPMのElectronicaと表示される。3 表示の上では、ブレヒトの版は元の曲より少し速く、店の分類ではハウスとテクノの売り場に入る。
ブレヒトはドイツの作り手で、日付の無い15 Questionsの取材で、自分をプロデューサー、ピアニスト、ベース奏者と名乗る。ジャズのコントラバスとピアノを学び、いくつもの編成でベースを弾いたあと、自分だけの企画をやりたくなったと話している。4
同じ曲ページの「Appears On」欄には、ほかの作り手たちのチャートが並ぶ。セバスチャン・レジェ(Sébastien Léger)の「Real vibes matter」、ニック・ルイス(Nick Lewis)の「MY CREAM OF 2018」などだ。5 載っていることは、かけられたことの証言ではない。
二人になったGusGus
元の曲について、The Line of Best Fitのロビン・リード=チャレン(Robin Read-Challen)は、流れ落ちるようなアルペジオのシンセに、残響の雲に乗ったダニエル・アウグスト(Daníel Ágúst)の声が浮かぶ、壮大で静かに高揚させる曲と評した。GusGusはこの時、創設メンバーのビッギ・ヴェイラ(Biggi Veira)とアウグストの二人だけになっていた。6
アルバムが出た翌月に載ったNorthern Transmissionsの取材で、ヴェイラは盤が音楽の面で着想を得たものを、1978年から82年ごろのシンセ・ウェイヴにある
"the strange chord structures and arpeggios"(奇妙な和音の組み立てとアルペジオ)7
だと答えた。ライブの編成は曲の組み方も音も試せるように開いてあり、スタジオで仕上がる前の曲をライブに入れることもよくある、とも話している。よく聴く作り手を問われると、インディー寄りの電子音楽よりクラブの文化に結びついた人が多いと言い、その中間にいる人として、オリヴァー・フンテマン(Oliver Huntemann)、ロボット・コッホ(Robot Koch)と並べて、リミックスの一人だったアレックス・バンクスの名を挙げた。7
出典・注
[1] Icelandic Band Gusgus Announce Forthcoming 'Lies Are More Flexible' Album, BroadwayWorld、2018年1月19日。アルバムとシングルEPの告知、リミックスEPの予定日。本文は宣伝文(プレスリリース)。
[2] GusGus - Featherlight (Remixes), Beatport。発売日2018-02-09、レーベルoroom、ページ内データの四曲の長さ・BPM・ジャンル・リミキサー表示。BPMとジャンルは店の表示で、聴いて確かめたものではない。
[3] Featherlight (Original Mix), Beatport。ページ内データのBPM・ジャンルと収録盤『Lies Are More Flexible』。
[4] Fifteen Questions Interview with Johannes Brecht, 15 Questions。日付表示なし(Diynamicからの『Picture』の時期の取材)。国籍、肩書き、学んだ楽器と経歴についての本人の回答。2018年当時の発言ではない。
[5] GusGus - Featherlight (Johannes Brecht Remix), Beatport。6:09、123BPM、変ホ短調、2/9/18、「Appears On」欄のチャートの題と作成者。チャートの中身と日付は読めていない。
[6] Robin Read-Challen, GusGus balance introspection and euphoria on Lies Are More Flexible, The Line of Best Fit、2018年2月23日。原曲についての評者の記述と、現在の編成。リミックスには触れていない。
[7] Our interview with GusGus, Northern Transmissions、2018年3月11日。ビッギ・ヴェイラの回答(直接引用はここから)。