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2020年1月29日 追加

Musa Paradisa

Maajo / Tropic of Tulli ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 2 分

最後に外された声

フィンランドのマーヨ(Maajo)のアルバム『Tropic of Tulli』について、英Ransom Noteの曲ごとの解説で、作り手は「Musa Paradisa」をこう振り返っている。曲は、とても気に入っていた声のサンプルから始まり、ベースのトゥオマス(Tuomas)がそこへ重いベースラインとギターを書いた。どこか「Could You Be Loved」を遠く思わせる線だったという。ところが、アルバム作りの最後の段階で、

"we decided to drop out the sample because of licencing issues"(使用許諾の問題で、サンプルを外すと決めた)1

空いた場所を埋めるために、バラフォンの旋律と、シャッフルするボンゴのリズムを足した。結果として、盤の中でいちばんカリブ海寄りの、言ってみれば熱帯的な曲になった、と作り手は書く。1 曲を始めた声は、完成した曲には残っていない。

サンプルの計画から、五人の楽団へ

ブルックリンのレーベルWonderwheel Recordingsの現在の紹介によれば、マーヨはサンプルを基にした電子音楽の計画から、アフリカの歌い手や演奏者も含む編成の大きな楽団へ育った。2 Ransom Noteの前書きは、この盤を、ハーマン・プライム(Herman Prime)名義でSeagull Recordsから出た作品のあとに構想が生まれ、五人の楽団に広がって戻ってきたものと紹介する。1 同じ解説の最後の曲の項で、作り手は、ブダペストに住んでいた頃にキング・サニー・アデ(King Sunny Ade)のサンプルで組んだループから、数か月後の一晩で作った曲「Maajo」が約二年後にSeagullから12インチになり、その発売記念の公演のために楽団を集め、そこから新しい曲に取りかかったと語っている。1

公式Bandcampでは、盤は2016年10月16日の日付で、Queen Nanny recordsから出た10曲入り、「Musa Paradisa」は4曲目の4分44秒だ。3

同じ盤の、別の声の扱い

Ransom Noteの解説を並べると、この盤では声のサンプルが曲ごとに違う道をたどっている。「Makkara」は、ソーセージがあると聞き取れるフィンランド語の声のサンプルが、曲を作る十分な理由になったという。「Kofi Obu」は、1920年代に英国で録られた歌の旋律を土台にしたという。「Fode」は、トゥーレ・クンダ(Toure Kunda)の似た題の曲の声を基に始まり、要素を削っていった曲だという。1

バラフォンは、盤の2曲目にもすでに現れる。「Tum'pi」は、数本の鍵しか音程が合っていない安いバラフォンの録音から始まり、その上にトゥオマスがベースラインとギターのリフを書いた、と作り手は言う。1

出典・注

[1] Track By Track: Maajo – Tropic Of Tulli, Ransom Note。頁に日付・署名の表示はなく、前書きは盤を「latest release」と呼ぶ。曲ごとの解説は作り手の一人称(Musa Paradisa の項。直接引用はここから)。前書き(Herman Prime、Seagull、五人の楽団)は編集部の地の文。「Could You Be Loved」の作者名は書かれていない。

[2] Maajo, Wonderwheel Recordings公式。紹介文(フィンランド出身、サンプル中心の計画から楽団へ)。現在の紹介で、2016年当時の編成を示すものではない。

[3] Tropic of Tulli, Maajo公式Bandcamp。released October 16, 2016、Queen Nanny records 2016、10曲の曲目と長さ(4曲目 Musa Paradisa 04:44)。

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