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2020年4月17日 追加

Cheer Up, My Brother

HNNY / Sunday ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 3 分

週末の旅から戻る日曜日の盤

2015年7月21日に載ったフランスのDélicieuse Musiqueの取材で、HNNY(ハニー)ことスウェーデンのヨハン・セーデルベリ(Johan Cederberg)は、最初のアルバムを『Sunday』と名付けた理由を話している。ここ数年は毎週どこかでDJをしていて疲れ切り、日曜日に家へ戻ることが多かった。家はスタジオでもあったので、戻るたびに音楽が穏やかになった。アイデアはたいてい旅の途中、たとえばフランクフルトの空港で5時間待つような時間に浮かび、家で録った、という。1 記事の前書きと質問で聞き手は、先に公開された2曲の一つとしてこの「Cheer Up, My Brother」を挙げ、途切れない打楽器、旋律的なピアノ、憂いを帯びた声を聴いている。1

同じ取材で彼は、同じ時期に作った明るいEP『Carefree』と比べて、『Sunday』をこう説明した。

"It is darker and personal, mostly based on my childhood"(より暗く、個人的で、主に子ども時代に基づいている)1

自分の好きな音楽の多くは、嬉しいのに悲しい、という両面を持っているとも言う。『Carefree』は、あえて明るさだけの音楽を試したものだった。1

踊るための曲か

盤は2015年7月、Omena Recordsから配信で出た。音楽サイトLa.Ga.Staのガスボーイ(Gasboy)は7月12日、その週に出たと書いている。2 Appleでは10曲入りで、この曲は3曲目、5分6秒である。3

その秋、レビューサイトUnsung Sundaysの評者は、盤について、これで踊れるとは思わないと書き、それは悪いことではないと続けた。HNNYの響きを知るならこの曲を、と勧めたうえで、これをハウスと呼ぶなら家でくつろいで聴くからだ、と洒落を添えている。4 2017年1月、音楽サイトStereofoxは、この曲がエレン・マキルウェイン(Ellen McIlwaine)の「Farther Along」からサンプルを取り、部族的な打楽器、正確なキック、ジャズ風のハイハットを加えたものだと書き、再生が50万回に届こうとしていると伝えた。5 マキルウェインはナッシュビル生まれで2歳から日本で育ったスライド・ギタリストで、南アジアや西アフリカ、ゴスペルからも着想を得た、とCBCの訃報は伝える。6 「Farther Along」は1973年の盤『We the People』に入っている。7 翌2016年には、Marini's Groupの編集盤『Sunset Hours - Marini's on 57, Vol. 3』の6曲目にもこの曲が収められた。8

その後の日曜日

2019年のThe Ransom Noteの記事によれば、HNNYは2016年、キョーダイ(Kyodai)のレーベルBeerから、最後のダンス音楽と見なせる作品を出したあと、3年ほど出演を減らし、作品も出さずにいた。9 取材で彼は、クラブではもう全くかけていないと話す。金曜と土曜は飛行機に乗り遅れないか、USBメモリーを忘れていないかと、ずっと張り詰めていたという。いま続けているのは、ストックホルムの音響にこだわったリスニング・スペースHosoiで、2年前から毎週かけてきた日曜の午後の会だった。二日酔いのまま来ても、家族とブランチをしたあとに来てもいい、と彼は言う。9

出典・注

[1] INTERVIEW : HNNY, Délicieuse Musique、2015年7月21日(ページの日付表示。Internet Archiveの2017年の保存版で読んだ。元のページは取得時に応答なし)。前書きと質問(聞き手の記述。先に公開された2曲はL91の質問。曲名は前書きでは「Cheer Me Up, My Brother」と誤記)、題の由来と制作の場、『Carefree』との対比(本人の言葉。直接引用はここから)。

[2] Gasboy, HNNY: "Sunday", La.Ga.Sta、2015年7月12日(Internet Archiveの保存版。元のページは証明書の期限切れで取得できず)。発売の週とOmena Records、カタログ番号OMCD001の表示。

[3] iTunes Lookup: Sunday, Apple。発売日2015-07-03、℗ 2015 HNNY、10曲、3曲目305,777ミリ秒。公式Bandcampの表示は「released August 11, 2015」、5分5秒で、日付は一致しない。

[4] HNNY: Sunday Review, Unsung Sundays、2015年10月25日(署名なし)。盤についての評と、この曲への言及(評者の記述)。

[5] Ivo, HNNY - Cheer Up, My Brother, Stereofox、2017年1月18日(ページの公開日データ。署名「posted by Ivo」)。サンプル元と音の記述、再生数(記者の記述)。サンプルの使用を示すクレジットは、読んだ目録には表示されていない。

[6] Calgary-based guitarist and blues legend Ellen McIlwaine dead at 75, CBC News、2021年6月24日。経歴(記者の記述と、Stony Plain Records創設者ホルガー・ピーターセンの言葉)。

[7] iTunes Search: Ellen McIlwaine Farther Along, Apple。『We The People』5曲目、日付表示1973年。

[8] iTunes Search: HNNY Cheer Up My Brother, Apple。『Sunset Hours - Marini's on 57, Vol. 3 (Edited)』6曲目、304,418ミリ秒。盤の発売日2016-09-30、℗ 2016 Marini's Group(同盤のLookup)。

[9] Leaving The Club Behind: Hnny Talks, The Ransom Note(署名・日付の表示なし。本文の「Fast forward to 2019」から2019年の記事と判断)。2016年のBeerからの作品と3年の空白(記者の地の文)、クラブをやめた理由とHosoiの会(本人の言葉。「audiophile listening space」は聞き手の質問の語)。

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