20近い版を経た曲と、締め切りで一度に仕上げた曲
2016年9月23日、タイのウェブ誌Howlは、同じタイのバンド、ジム・アンド・スイム(Gym and Swim)を訪ねた記事の中で、バンドが知られるきっかけになり、その音楽の型を決めた曲として「Octopussy」を挙げた。今の形になるまでに、20近いバージョンに作り変えられてきたという。1 同じ記事で、ドラムのマッドミー(Mudmee)は、限られた時間で仕上げるのは新鮮な感じがする、最近の曲はほとんどが一つのバージョンしかない、と話している。1
締め切りが来るまで
記事によれば、メンバーはもともとそれぞれ別のバンドにいた。歌のチャルーム(Chalerm)とギターのターク(Terk)が組み、ギターのポッカポン(Pokpong)、マッドミー、ベースのホップ(Hob)が加わった。曲はたいてい演奏の側から考え始め、ポッカポンがリズムを組み、打楽器を足していくという。1 最初の1年は、集まっても練習せずに話したり、YouTubeを一緒に見たりして過ぎた。締め切りができてからは、1週間に1曲のペースで曲が生まれた。曲はいくらでも直せてしまうので、ここで良いと思えばそれ以上は求めず、良い案は次の曲に回す、とチャルームは話す。1
Appleの目録では、アルバム『SeaSick』は2016年8月21日、Parinam Musicから11曲で出た。「Octopussy」は10曲目で3分26秒、この曲には2014年6月24日の日付が付いている。2 同じ月の8日には、ウドンターニーを所在地とするdessin the worldの編集盤『a plan named overlap #5』にも6曲目として収められた。3 2019年1月の日付で公式Bandcampに載った、White Noise Recordsによるレコード化の告知のページでは、10曲の最後に置かれている。4
踊る客、歌う客
2020年11月、音楽メディアBandwagonのクリスティ・チュア(Christy Chua)の取材で、バンドは最初のアルバムをこう振り返った。
"we felt so fresh and innocent"(とても新鮮で、無邪気だった)5
アルバムの作り方もよく知らないまま、とにかく形にしようとした。題も決まらず、楽しさや踊りに関わる語を辞書で探して、最後の最後に見つけたのが「Seasick」だったという。5 記事によれば、バンドは2017年に台北で初めて国外の舞台に立ち、台湾のサンセット・ローラーコースター(Sunset Rollercoaster)と共演したのち、日本や韓国、香港、シンガポールなどを回った。5 国外で演奏するときの違いを問われると、彼らはこう答えている。タイの観客は踊るより一緒に歌うことを好み、国外の観客のほうがよく踊り、熱が高い。5
出典・注
[1] howl the team(文・写真。投稿者表示 Chanon), Gym and Swim : ไม่หล่อ…แต่น่ารักนะ, Howl、2016年9月23日。タイ語の取材記事。「Octopussy」の位置と20近いバージョン(記者の地の文)、結成の経緯、曲の作り方、締め切りと制作の速さ(チャルーム、ポッカポン、マッドミーの言葉)。
[2] iTunes Lookup: SeaSick, Apple(タイ)。発売日2016-08-21、℗ 2016 Parinam Music、11曲、10曲目「Octopussy」205,500ミリ秒・曲の日付2014-06-24(3曲目「Bunny House」も2015-11-27と別の日付)。曲ごとの日付が何を指すかは表示されない。
[3] 06. Gym and Swim - Octopussy, dessin the world公式Bandcamp。『a plan named overlap #5』収録、released August 8, 2016、所在地表示 อ.เมืองอุดรธานี, Thailand。
[4] Seasick, Gym and Swim公式Bandcamp。White Noise Recordsによるレコード化の告知と紹介文、released January 4, 2019、10曲目「Octopussy」03:25。
[5] Christy Chua, Introducing: Thai indie-pop band Gym and Swim on writing tropical tunes, working with Sunset Rollercoaster, and more, Bandwagon、2020年11月13日(最終更新2021年6月10日)。国外公演の経緯(記者の地の文)、最初のアルバムと観客の違いについてのバンドの言葉(直接引用はここから。2020年の回想で、2016年当時の発言ではない)。