小さいと評されたサビの、その後
2018年10月8日、PopMattersのプライアー・ストラウド(Pryor Stroud)は、ルーズヴェルト(Roosevelt)の2作目『Young Romance』を評して、「Shadows」を厳しく書いた。ファンクのグルーヴには張りがなく、サビは、1作目の「Fever」のように舞い上がりたい、「Night Moves」のように聴き手をさらいたいのに、控えめで小さく聞こえる、という。1 翌年の秋、ルーズヴェルトことマリウス・ラウバー(Marius Lauber)が自分で手がけた7分25秒の版が出た。
主流の場で
ドイツのプロデューサーでソングライターのラウバーは、『Young Romance』で、大きく大胆なポップの歌に向かった、とレーベルの紹介文は書く。2 ストラウドの評が引くラウバーの言葉では、本当に優れたポップ音楽を作ろうという意欲に胸が躍り、自分の音楽を、真正さを失わず妥協もせずに、より主流の場で生き延びさせたかったという。1 同じ9月28日の盤を評したNorthern Transmissionsのオーウェン・マクスウェル(Owen Maxwell)は、「Shadows」を、アルバムの楽しい側のポップにとどまりながら暗い音の混ぜ方と普通でない歌い方を見せる曲とし、ポップを遊んではいるが、期待するほど自信に満ちてはいないと書いた。3 公式Bandcampのデラックス版の表示では、アルバムの「Shadows」は4分26秒である。4
12インチの長さ
2019年9月27日、ラウバーは『Midnight Versions, Pt. 2』を出し、『Young Romance』の三曲を自分でリミックスした。レーベルの紹介文(宣伝文)は、フロアと、これからのDJツアーのための作り直しと書く。紹介文に引かれた本人の言葉によれば、「Take Me Back」はかなりテクノのジャムになった。「Shadows」では、1970年代のお気に入りのディスコのレコードでよくあった古典的な12インチ版を目指した。原曲に近い空気のまま、ベースラインが展開する時間を増やし、もっと削ぎ落として、密度も慌ただしさも抑えたミックスにした、という。2 作詞、作曲、制作はすべてラウバーとクレジットされている。2
二度目の真夜中
同じ名の試みは二度目だった。2017年7月19日の最初の『Midnight Versions』は4曲を6分から7分近くに延ばしたもので、本人はアルバムにあるダンスフロアの影響を示したかったと書き、こう続けていた。
"turn the tracks into longer edits, with more time to breathe and evolve."(曲を長いエディットにして、息をし、展開する時間を与えたかった)5
その4曲の一つが、ストラウドがサビの手本に挙げた「Night Moves」で、6分46秒になっている。5
出典・注
[1] Pryor Stroud, Roosevelt Aims to Create Non-Populist Pop on 'Young Romance', PopMatters、2018年10月8日。盤の評(評者の記述)、「Shadows」についての評、「Fever」「Night Moves」を1作目の曲とする記述、ラウバーの言葉の引用(出どころは記事に書かれていない)。盤の日付 28 September 2018、City Slang。
[2] Midnight Versions, Pt. 2, Roosevelt公式Bandcamp。released September 27, 2019、3曲の曲目と長さ(3曲目 Shadows (Midnight Version) 07:25)、紹介文(レーベルの宣伝文。Young Romanceの紹介、フロアとDJツアーのための作り直し)と、その中の本人の言葉(「Take Me Back」と「Shadows」について)、クレジット(Written, composed and produced by Marius Lauber)。Appleは同じ3曲に2018-09-28の日付を付けるが、盤の日付は2019-09-27(iTunes Lookup API)。
[3] Owen Maxwell, Roosevelt 'Young Romance', Northern Transmissions、2018年9月28日。「Shadows」についての一文(評者の記述。ポップを遊んでいるが自信に欠けるという評もこの一文の中)。
[4] Young Romance + Bonus Tracks (Deluxe Version), Roosevelt公式Bandcamp。released September 27, 2019(デラックス版の日付)、曲目と長さ(Shadows 04:26、Shadows (Midnight Version) 07:25)。
[5] Midnight Versions, Roosevelt公式Bandcamp。released July 19, 2017、4曲の曲目と長さ(Close 06:36、Night Moves 06:46、Colours 06:12、Wait Up 06:33)と本人の言葉(直接引用はここから。文の後半を引いた)。どのアルバムの曲かは頁に書かれていない。Appleの『Roosevelt (10th Anniversary Edition)』(2026-08-21、City Slang)には、元の「Night Moves」(3曲目)と「Night Moves (Midnight Version)」(2枚目9曲目)が並び、4曲とも1作目『Roosevelt』の曲と確かめられる(iTunes Lookup API)。