ヴィリニュスの三人が、スペイン語で歌う理由
2022年4月22日、リトアニアのLRTのサイトは、ヴィリニュスの三人組プラネタ・ポラール(Planeta Polar)がその日デビュー・アルバム『Puro Carnaval』を出したと伝えた。記事に載ったバンドの発表(宣伝文)の中で、歌とアコーディオンのアドマス・コレニウカス(Adomas Koreniukas)は、スペイン語の歌詞と音楽の関係をこう説明している。
"Yra muzika, kuri pritaria tekstams, o „Planeta Polar" atveju tekstai pritaria muzikai."(歌詞に音楽が従う音楽もあるが、プラネタ・ポラールでは歌詞が音楽に従う)1
スペイン語がわからなくても聴いてよい、ここでは音楽がいちばん大事で、声はもう一つの楽器として感情を運ぶ、と彼は続ける。同じ発表で、バンドは表題曲「Puro Carnaval」を光についての曲だと説明している。1
パランダからプラネタへ
同じ年の8月に雑誌「370」のトマ・ヴィドゥギリーテ(Toma Vidugirytė)が行い、9月に載った取材で、コレニウカスは始まりを話した。最初の名はパランダ・ポラール(Parranda Polar)で、自分と初代のベース奏者ヴィタウタスが南米で過ごした経験と、ドラムのヨナス・ナルブタス(Jonas Narbutas)のブルースへの愛から生まれた。ヨナスにはクンビアがブルースに似て聞こえたのだという。当時、南米の村の典型的な音楽はリトアニアで驚くほど受け入れられ、5年のあいだ国内の小さな館や祭りで演奏したあと、伝統的なクンビアの役目は果たしたと感じて、楽器を増やし、自分たちのクンビアを作るプラネタ・ポラールに変わった。コレニウカスは南米に2年ほど住み、そこでスペイン語を覚えたと話している。2
予告より遅れた盤
2021年7月、LRTは、秋に11曲入りのデビュー・アルバムが出ると伝えていた。レーベルはSome Other Planet Recordsで、コレニウカスはその拠点をロンドンと、クンビアの火がいまもくすぶるメキシコのモンテレイ近くだと説明した。3 実際に出たのは翌年4月で、曲は10曲だった。14 この取材でコレニウカスは、録音は1年以上前に終わっていたが、シングルを先に出して勢いをつけたかったことと、このレーベルとの仕事が始まったことで遅れた、と答えている。2 4月の発表によれば、三人は録音をパンデミックの隔離の間に自分たちのスタジオで行った。1
公式Bandcampでは、表題曲は10曲の5曲目で4分20秒。制作はコレニウカスとヴィタウタス・ラシマヴィチュス(Vytautas Rasimavičius)、ミックスはラシマヴィチュスと記される。4
発売の頃
4月の発表の終わりで、三人は、戦争を前にして作ることはうまく進まないが、それでも必要だと話し、戦争が始まった翌日にも公演があり、最近はウクライナ支援の公演でも演奏したと付け加えている。1 光についての表題曲を含み、コレニウカスが明るく色とりどりのエネルギーの爆弾と呼んだ盤は、そういう春に出た。1
出典・注
[1] „Planeta Polar" pristato albumą „Puro Carnaval": tai šviesios ir spalvingos energijos bomba, LRT.lt、2022年4月22日。バンドの報道発表に基づく記事(宣伝文)。発売、コレニウカスの言葉(直接引用はここから。文の終わりまで)、表題曲は光について、隔離中の三人での録音、戦争についての発言、「明るく色とりどりのエネルギーの爆弾」。
[2] Toma Vidugirytė, Grupės „Planeta Polar" albume – psichodelika, įkvėpta Pietų Amerikos, 雑誌「370」(Kauno dienaのサイトに掲載)、2022年9月17日(取材は8月と前書きにある)。コレニウカスとナルブタスへの取材。パランダ・ポラールの成り立ち、クンビアとブルース、南米での2年、録音の完了と発売の遅れ(コレニウカスの答え)。初代のベース奏者は名だけで姓が書かれず、[4]のラシマヴィチュスと同じ人かは確かめられないので、本文では結び付けていない。
[3] Grupės „Planeta Polar" naujienos: dainos premjera, būsimas albumas ir sutartis su užsienio leidėjais, LRT.lt、2021年7月16日。「SOS el Planeta」の公開、秋に出る11曲の予告(報道発表)、Some Other Planet Recordsとの契約とその拠点についてのコレニウカスの説明。
[4] Puro Carnaval, Planeta Polar公式Bandcamp。released April 22, 2022、10曲の曲目と長さ(5曲目 Puro Carnaval 04:20)、クレジット(三人の担当、制作、ミックス、Some Other Planet Records)、Vilnius。歌詞も載るが使っていない。