プラスチックと呼ばれる音楽を、本物の楽器で
セイ・イエス・ドッグ(Say Yes Dog)のデビュー・アルバム『Plastic Love』は、2015年9月4日に出た。12曲の4曲目に「Plastik」、最後の12曲目に「Focus」がある。1 ドイツ語のウェブ誌Terrorverlagのウルリケ・マイヤー=ポットホフ(Ulrike Meyer-Potthoff)は、盤の題をこう読んだ。多くの人は電子音楽を偽物、つまりプラスチックだと思っている。題はそれをほのめかしていて、だから彼らの音楽は単にコンピューターで作られるのではなく、本物のシンセサイザーと、サンプルではなく生で叩いたドラムで作られる、という。2
ハーグの学生から
同じ評によれば、始まりは2012年。学校の頃からの知り合いだった歌のアーロン・アーレンツ(Aaron Ahrends)とベースのパウル・ルンデル(Paul Rundel)がハーグの王立音楽院に音響技術を学びに来て、ドラムを学ぶパスカル・カリアー(Pascal Karier)と出会った。売り切れていたフュージョン・フェスティバルにどうしても行きたくて、最初の曲の映像を撮って送ったところ、本当に招かれ、それが最初の公演になったという。2013年のEP『A Friend』の表題曲は、100万回近く再生される小さなヒットになり、アルバムにも入った。2
2015年11月にUnimagに載ったペトラ・ピュンギュンツキー(Petra Püngüntzky)の取材で、アーレンツは、長く住んだハーグには気を散らすものがあまりなかったと話し、アルバムは小さな町ハールレムのスタジオで仕上げたと言う。
"Dort kann man nichts machen außer Musik, weil die Stadt nichts hergibt"(そこでは音楽以外に何もできない。町に何もないから)3
4曲目と12曲目
マイヤー=ポットホフは曲順に沿って評し、3曲目の「How」でダンスフロアへ向かい、それを「Plastik」が少し冷ややかな控えめさで煽る、と書いた。終盤については、「Before I Go」と「Focus」が比較的ひねくれた道を行くと評している。2 ドイツ語の音楽誌éclatのマルレーナ・ユリア・ドルニアク(Marlena Julia Dorniak)は、盤の聴きどころに「Hold Me」「A Friend」と並べて「Plastik」を挙げた。4 Appleの表示では「Plastik」は3分18秒、「Focus」は3分19秒余り。Qobuzの名義欄では、どちらも作曲者に三人の名が並ぶ。15
ドルニアクはまた、アーレンツの話として、歌詞はしばしば即興で、旋律に合う言葉から生まれ、それがたいてい一つの歌詞になると伝え、このバンドはプラスチックの時代にあっても、すべてをコンピューターから流すのではなく本物の楽器で舞台に立つと書いた。4
マイヤー=ポットホフが題を電子音楽への偏見への返答と読んだのに対し、ドルニアクは題には触れず、プラスチックの時代という言い方で舞台の楽器の話をした。24 盤を仕上げたハールレムについて、アーレンツは、次のアルバムもそういう人里離れた場所を選ぶだろう、とも話している。3
出典・注
[1] iTunes Lookup: Plastic Love, Apple(ドイツのストア)。2015-09-04、12曲、4曲目 Plastik 198,228ミリ秒、12曲目 Focus 199,706ミリ秒、3曲目 How、11曲目 Before I Go。現在の掲載は ℗ 2024 Diskodogs Records。
[2] Ulrike Meyer-Potthoff, SAY YES DOG - Plastic Love, Terrorverlag(掲載日の表示なし)。盤の評。三人の成り立ちとフュージョン・フェスティバル、『A Friend』、曲順に沿った評(「How」「Plastik」「Before I Go」「Focus」)、題の読みと本物のシンセサイザー・生のドラム(いずれも評者の地の文)。
[3] Petra Püngüntzky, Say Yes Dog im Interview, Unimag、2015年11月30日。Rhizでの公演前の取材。ハーグとハールレムについてのアーレンツの答え(直接引用はここから。文の終わりまで)。
[4] Marlena Julia Dorniak, Say Yes Dog – Plastic Love, éclat(頁のVÖ欄は2015年9月4日で、掲載日の表示はない)。盤の評。聴きどころ、歌詞の作り方(アーレンツの話の伝聞)、舞台の楽器(評者の地の文)。
[5] Plastic Love - Say Yes Dog, Qobuz(フランス)。「Plastik」「Focus」の名義欄(Pascal Karier、Aaron Ahrends、Paul Rundel が作曲者)、2015 Say Yes Dog under exclusive license to Wagram Music、Plastik 00:03:18、Focus 00:03:19。