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2022年8月6日 追加

Goca Dünya

Altin Gün / On ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 2 分

民謡の扱い方を決めた、書き手の名が記された一曲

2021年2月、Bandcamp Dailyのジョシュア・ミンスー・キム(Joshua Minsoo Kim)は、アムステルダムのバンド、アルトゥン・ギュン(Altın Gün)を第3作『Yol』の機会に取材した。記事は「Goca Dünya」をバンドの最初のブレイクの曲と呼び、ベーシストのヤスパー・フェルフルスト(Jasper Verhulst)がエルキン・コライ(Erkin Koray)の曲のカバーをスタジオに持ち込んだところから形になり始めた、と書いている。1 フェルフルストは、この曲に取り組んだときが、民謡でまるで違うことをしようと初めて本当に決めた瞬間だったと話す。記者が、既にある版をまねるのでなく、と言葉を補ったうえで、彼の言葉はこう続く。

"we would make them our own."(自分たちのものにするのだ)1

持ち込まれた曲の出どころ

ただ、持ち込まれたのは、記事の言い方ではコライの曲だった。1 一方Qobuzは、アルトゥン・ギュンの版の作曲者欄にアブドゥッラー・ナイル・バイシュ(Abdullah Nail Bayşu)の名を載せる。2 投稿型の音楽データベースMusicBrainzには、作品の書き手をコライとする記録もある。3 資料によって、書き手の名は一致しない。

単曲から『On』へ

Qobuzでは、単曲の盤「Goca Dünya」は2017年5月15日にBongo Joeから出た2曲入りで、表題曲は4分00秒だ。2曲目の「Kırşehirin Gülleri」の作曲者欄には、ネシェト・エルタシュ(Neşet Ertaş)の名がある。2 公式Bandcampの作品一覧には、2017年5月の日付で「Goca Dünya / Kırşehir'in Gülleri」が並ぶ。4 翌2018年3月30日に出たデビュー・アルバム『On』では、10曲の3曲目に4分00秒の「Goca Dunya」が置かれた。4

その『On』に付いた紹介文(レーベル側の宣伝文)は、バンドをアムステルダムの人たちと呼び、コライをバンドに影響を与えた一人に挙げながら、いちばんの霊感はエルタシュで、盤の曲の大半は彼が書いたものだとする。そして、エルタシュの曲の歌詞と主題の組み立ては残したまま、しばしば拍子を変え、ファズのかかったベースやオルガン、サズのリフを加えると説明している。4

フェルフルストの話をこの紹介文と並べて読むなら、デビュー作の大半を占めるエルタシュの曲への手の入れ方は、コライの曲に取り組んだときに決まった、と読める。14

出典・注

[1] Joshua Minsoo Kim, Anatolian Rock Band Altın Gün Bring the Joy on “Yol”, Bandcamp Daily、2021年2月22日。取材記事。「最初のブレイクの曲」と、コライの曲(the Erkin Koray song)のカバーを持ち込んだという経緯は記者の地の文(L169–171)。フェルフルストの言葉(L171)。直接引用はここから(原文では直前に記者が補った角括弧の語句「Rather than mimicking existing versions」があり、そのあとの文の終わりまで)。フェルフルストの言葉のうち「民謡」は原文の「folk traditionals」。

[2] Goca Dünya - Altin Gün, Qobuz(米国)。Released on 5/15/17 by Bongo Joe、2 track(s)、1. Goca Dünya 00:04:00(Composer: Abdullah Nail Bayşu)、2. Kırşehirin Gülleri 00:03:24(Composer: Neset Ertas)。

[3] 作品 Goca Dünya, MusicBrainz(API応答)。作品の writer に Erkin Koray。投稿型のデータベース。

[4] On, Altin Gün公式Bandcamp。released March 30, 2018、10曲の曲目と長さ(3. Goca Dunya 04:00)、作品一覧(Goca Dünya / Kırşehir'in Gülleri、May 2017)、所在地欄(Amsterdam, Netherlands)、紹介文(レーベル側の宣伝文。「The Amsterdammers」の呼び方、コライを含む影響、エルタシュ、曲の扱い方)。本文冒頭の「アムステルダムのバンド」もこの所在地欄と紹介文による。

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