先に届いたリード曲の、その先で見つけた曲
2020年1月7日、音楽サイトIndie Shuffleのディラン・ヘネック(Dylan Heneck)は、シモン(Szymon)の「Feenicks」をこう書き出した。1
"This one, for me, symbolizes the art of music-digging."(わたしにとって、この曲は音楽を掘る技を象徴している)1
ヘネックによれば、盤には表題曲「Blue Coloured Mountain」というすばらしいリード曲があり、そこで止めてもよかった。けれども新しい音楽を探していると、どの作品の中にも際立った曲に出会う可能性がある。その報いが「Feenicks」だったという。1
『Tigersapp』に続く7曲
盤のBandcampの頁の紹介文(宣伝文)は、この7曲の作品を、シモンの死後に出たデビュー・アルバム『Tigersapp』に続くものと呼ぶ。声とファルセットの重なり、少し傾いた多楽器の演奏、すり足のようなポリリズムを持ち味に挙げ、彼の音楽が向かっていた先の兆しもある、と書く。2 作り手の紹介では、シモン・ボジェストフスキ(Szymon Borzestowski)は寝室の作業場に何日もこもって曲を磨き、23歳で亡くなった。クレジットでは、全曲を書きプロデュースしたのは本人だ。2
盤より先に出た2曲
同じ頁は2019年11月8日の日付で7曲を並べる。「Feenicks」は「Yakuza」に続く2曲目で2分28秒、表題曲は3曲目で2分15秒だ。2 曲の頁も同じ日付を表示する。3
同じ頁の作品一覧では、表題曲は2019年9月、「Yakuza」は10月に、盤より先に単独で出ている。「Feenicks」に単独の項はない。2 ヘネックがリード曲と呼んだのは先に届いた表題曲で、その先で見つけたと書いた「Feenicks」は、盤が出て初めて聴けた曲だった。12
出典・注
[1] Dylan Heneck, Szymon - Feenicks, Indie Shuffle、2020年1月7日。曲単位の短評(評者の記述)。直接引用はここから(本文の最初の一文、文の終わりまで)。リード曲で止めてもよかったこと、どの作品にも発見の可能性があること、報いとしての「Feenicks」。
[2] Blue Coloured Mountain EP, Szymon、Bandcamp(elopermusic)。released November 8, 2019、7曲の曲目と長さ(1. Yakuza 02:53/2. Feenicks 02:28/3. Blue Coloured Mountain 02:15)、紹介文(宣伝文。『Tigersapp』に続く7曲の作品、持ち味の記述、向かっていた先の兆し)、作り手の紹介(寝室の作業場、23歳)、クレジット(All songs written, produced by Szymon Borzestowski)、作り手の作品一覧(Blue Coloured Mountain EP Nov 2019/Yakuza Oct 2019/Blue Coloured Mountain Sep 2019/Tigersapp Aug 2015)。「Feenicks」に単独の項がないのは、この一覧の範囲での確認。
[3] Feenicks, Szymon、Bandcamp(elopermusic)。released November 8, 2019。