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2023年3月7日 追加

我が良き友よ

かまやつひろし / あゝ、わが良き友よ ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 2 分

感情を込めずに歌われた大ヒット

TAP the POPの佐藤剛がコラムに書くところでは、かまやつひろしはこの曲がヒットしていた頃、テレビ局で偶然会った美空ひばりに、こう言われたという。「あの歌は、あなたがちっとも感情移入してないからいいのよね。」自分が歌っていたら、感情が入りすぎて失敗していただろう、とひばりは続けた。1

頼んで書いてもらった曲

佐藤のコラムによれば、1970年代の前半、かまやつは原宿や六本木の店で吉田拓郎とよく顔を合わせていて、近づいていったのはかまやつの方だった。コラムが引くかまやつ自身の文章では、なんとか共演したくてしつこく誘ったが、ヒット曲が欲しかったわけではないという。自分とまったく違う音楽をやる人間に興味があった、と。1 1974年の夏、二人の連名でシングル「シンシア」が出た。1

その後もかまやつは、ソロのための曲を書いてくれと拓郎に迫った。ある日電話があり、会いに行くと、拓郎は弾き語りでこの曲を聴かせた。かまやつは、懐古調の詞に少し複雑な気持ちになったという。この曲を自分が、という違和感から、レコーディングでも感情を込めずにさらっと歌って終わらせた。1975年2月に東芝EMIから出ると、曲は大ヒットした、と佐藤は書く。1 2020年の週刊現代の座談会で、元ニッポン放送社長の亀渕昭信は90万枚売れたと話している。2

イントロのギター

編曲は、フォーク・グループ「赤い鳥」のギタリストだった瀬尾一三。1 佐藤のコラムは、2016年1月に拓郎がブログに書いた文章を引いている。「我が良き友よ」のイントロのギターソロも、高中正義が弾いたものだという。1 同じ座談会でギタリストのCharは、高中のイントロはフォークというよりロックだと言い、元のメロディーはとても拓郎らしいが、かまやつが手を加えると一気にかまやつのサウンドになった、と評した。2 亀渕は、バックにバンジョーが効いていてカントリーの色があり、そこもかまやつに合っていたと話している。2

Charはまた、かまやつ本人が当初はこの曲に違和感があったと言っていた、とも振り返った。でも、だんだん好きになったようだ、と。2

Appleのデータでは、この稿で扱うのは1975年のアルバム『あゝ、わが良き友よ』の10曲目で、約3分44秒。シングルと同じ録音かどうかは確かめていない。3

2006年のデュエット

2006年、「吉田拓郎&かぐや姫」の野外コンサートにかまやつがスペシャルゲストで登場し、拓郎とこの曲をデュエットした。バンドを指揮する音楽監督は瀬尾だった、と佐藤は書いている。1

出典・注

[1] 佐藤剛, 先輩格のかまやつひろしのために吉田拓郎が書き下ろしてくれた「我が良き友よ」, TAP the POP、2026年3月1日。二人の出会いはL89–91、かまやつの文章はL92–93(出典名はページに示されていない)、「シンシア」はL94、曲を受け取った経緯と録音と発売はL97–100、美空ひばりの言葉はL101–102(直接引用はL102の最初の一文)、編曲者はL107、拓郎のブログ(2016年1月22日)の引用はL109–122、2006年のコンサートはL123–124。

[2] Char・泉谷しげる・亀渕昭信(座談会), 「下駄をならして奴がくる〜♩」かまやつひろし『我が良き友よ』秘話, 現代ビジネス、2020年3月29日(「週刊現代」2020年3月7日号より、L143)。亀渕の枚数の話はL42–43、Charのイントロとメロディーの話はL74–76、Charの回想はL110–111、亀渕のバンジョーの話はL123–124。発言者の肩書きはL137–142。

[3] iTunes Search: 我が良き友よ かまやつ, Apple(日本)。『あゝ、わが良き友よ』10/14曲、223,960ミリ秒、日付欄1975-04-05。

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