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2023年9月7日 追加

No Fun

Lane 8、Rae Morris / No Fun ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 3 分

アルバムに合わなかった曲が、レーベルの一年に入る

レイ・モリス(Rae Morris)から曲が届いたのは、レーン・エイト(Lane 8)が4作目のアルバム『Reviver』を作っている最中だった。すぐに、これは自分が手がけたい曲だと分かった、と彼は言う。ところが、二人でインストゥルメンタルを行き来させるうちに、話は逆に転がった。

"As we went back and forth on the instrumental it became clear that however much we liked the track it wasn't going to work on my album."(インストをやりとりするうちに、どれほどこの曲が好きでも、自分のアルバムには合わないことがはっきりしてきた)1

拾い上げたのはレーベルの側だった。ジェームスをはじめとするAnjunadeepの人たちがこの曲を聴いて、コンピレーション『Anjunadeep 13』に入れたがった、と彼は続けている。1 アメリカのプロデューサーでライブの演者でもある彼は、モリスがIcarusと組んだ曲以来、彼女のファンだったとも話している。1

年のはじめのミックス

『Anjunadeep 13』は2022年3月25日に出た。レーベルを共同で立ち上げたA&Rのジェームス・グラント(James Grant)と、ブリストルのDJジョディ・ウィスターノフ(Jody Wisternoff)が二人で組む9作目のミックスで、レーベルの紹介文はこれを、2022年のレーベルの方針を示すものと位置づけていた。23 「No Fun」はそのミックスの23曲目に、5分22秒の長さで入った。2 同じ紹介文によれば、この年は二人がミックスを演奏する姿を、モンテネグロのスカダル湖を見下ろす山の上で撮り、発売日にレーベルのYouTubeで流す段取りだった。3

単曲として出たのは6月7日で、長さは6分51秒。45 翌日、音楽サイトのDancing Astronautは、3月末に曲目表に載ってから待たれていたコンピの曲がようやく単体で出ると伝え、モリスの声は夜更けの通りを行くようなメロディック・ハウスに寄り添う、と書いた。6

セットの息継ぎ

さらにその翌日、EDMTunesのスティーヴン・ジャボー(Stephen Jabaut)は、この曲をDJセットの中で一度落ち着かせる曲と聞いた。レーン・エイトらしい高く舞い上がる展開には向かわず、地面の近くにとどまる。6分51秒のあいだに、水を補給し、友だちにガムを配り、盛り上がる曲と曲の合間にひと息つく場面だ、と。

"Every set needs a breather, and Lane 8 delivers that with 'No Fun'."(どんなセットにも息継ぎが要る。Lane 8は「No Fun」でそれを差し出した)7

その年の12月16日にAnjunadeepが出した『Anjunadeep The Yearbook 2022』にも、「No Fun」はミックスの一曲として入った。8 本人がアルバムには合わないと見切った曲は、レーベルのその年のはじめと暮れの、二つのミックスに置かれたことになる。

出典・注

[1] Lakshay Bhagtani, Lane 8 teams up with Rae Morris for brand new single 'No Fun', We Rave You、2022年6月14日。本人の言葉(アルバム制作中に曲が届いた、アルバムに合わなかった、Anjunadeepがコンピに入れたがった、Icarusとの曲以来のファン)と、彼の紹介に使った。同じ言葉はDancing Astronaut([6])にも載っており、一つの声明として数えた。この記事はアルバム名を「Revived」、発売を2月と書くが、ここでは使っていない。本人が名を挙げる「James」がグラントかどうかは声明に書かれていない。Anjunadeepの単曲の頁([5])は、この曲をグラントとウィスターノフが『Anjunadeep 13』で初めて聴かせたと書いている。

[2] Anjunadeep 13 by James Grant & Jody Wisternoff, Anjunadeep(レーベルの頁)、2022年3月25日。発売日、二人で9作目のミックスであること、2022年の方針を示すという紹介、曲目の23曲目「No Fun (Mixed)」5:22に使った。

[3] Anjunadeep 13, Anjunadeep(Bandcamp)、2022年3月25日。グラントの肩書き(レーベルの共同創設者でA&R)、ウィスターノフの紹介、山の上での撮影と配信の段取りに使った。紹介文は発売前の予告の形で書かれており、撮った演奏にこの曲が入っていたかは確かめていない。

[4] No Fun feat. Rae Morris (Original Mix), Beatport。単曲の発売日(6/7/22)、長さ6:51、レーベルの表示に使った。この長さの版を本稿の対象とした。

[5] No Fun by Lane 8 feat. Rae Morris, Anjunadeep(レーベルの頁)、2022年6月7日。単曲の発売日と、『Anjunadeep 13』で初めて聴かせたという紹介に使った。紹介文はレーベルの宣伝文。この頁の曲目表の長さは06:41で、Beatport([4])やEDMTunes([7])の6分51秒と合わない。理由は確かめていない。

[6] Lane 8 green lights proper release of 'Anjunadeep 13' cut with Rae Morris, 'No Fun', Dancing Astronaut、2022年6月8日。3月末に曲目表に載ってからの単曲の発売であること、モリスの声についての評(媒体の地の文)に使った。署名は媒体名のみ。

[7] Stephen Jabaut, Lane 8 – No Fun (feat. Rae Morris), EDMTunes、2022年6月9日。セットの中の息継ぎという読み、6分51秒という長さ、いつもの高揚に向かわないという評と引用に使った。

[8] No Fun (Mixed), Anjunadeep(Bandcamp)。『Anjunadeep The Yearbook 2022』からの曲で、2022年12月16日発売の表示に使った。単曲とは別のミックスの版。

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