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2023年10月17日 追加

Charanga

Polo & Pan、Les Poppys、Isaac et Nora / Carrossel Do Tempo ▶ Spotify

エッセイ ・ 約 3 分

鶏小屋で録った、ジャングル・レイヴへのオマージュ

メキシコ南部オアハカ州のサンティアゴ・ヤノ・グランデ(Santiago Llano Grande)という町で、ポロ&パン(Polo & Pan)の二人は村の子どもたちと音楽を録った。いちばん響きがよかったのは、なぜか鶏小屋の中だった。

"The best acoustics were inside a chicken coop, for some reason."(いちばんいい響きは、なぜか鶏小屋の中にあった)1

2023年11月28日のマイアミ・ニュー・タイムズ(Miami New Times)の記事で、ポール・アルマン=ドリール(Paul Armand-Delille)はそう振り返っている。本当の冒険だった、子どもたちの合唱で録るという考えが気に入っていた、とも。1 そうしてできたのが「Charanga」で、彼によればジャングル・レイヴへのオマージュだという。1

メキシコの滞在制作から

同じ記事で彼は、10月6日に出た4曲入りのEP『Carrossel Do Tempo』のうち、表題曲と「Charanga」はメキシコのロス・カボス(Los Cabos)のホテル、エル・ゴンゾ(El Gonzo)での滞在制作で始まったと話す。音楽家のための場があり、マリアッチの楽団とたくさんの打楽器を用意してくれた。二人がいま使っているグルーヴの多くはそこから来た、と。12 表題曲の「Carrossel Do Tempo」の金管は、そのマリアッチの楽団と録っている。1

記事によれば、二人はパリのクラブ、ル・バロン(Le Baron)で知り合ったが、そのころはまだ顔見知りで、本当に打ち解けたのはメキシコへの旅だった。1 記者のグラント・アルバート(Grant Albert)は、「Charanga」の重いベースが子どもたちの和声に寄り添い、フランスの歌手イザック・エ・ノラ(Isaac & Nora)の声が若々しさを足す、と書いている。1 EPの発売を伝えたElectronic Grooveの記事は、この曲を、いたずら好きの精霊と謎めいた空気を連れた、南米の夜のジャングル・レイヴへ誘う曲と紹介した。3 Beatportの表示では119 BPM、Eメジャーで、ジャンル欄はElectronica。4

マイアミの週末の前に

アルバートの記事は、12月9日にマイアミ・アート・ウィークのフェス、アート・ウィズ・ミー(Art With Me)で二人がヘッドライナーを務める前に書かれた。会場はヴァージニア・キー・ビーチ・パーク。1 アルマン=ドリールは、少し休みを取っていて、二人が2、3か月会わないのは音楽を始めてから初めてだろう、それぞれ別の企画の曲を作っているから互いに驚かせ合うことになる、何が起きるか分からないと思っていてほしい、と話している。1

メキシコへの旅で打ち解けた二人が、メキシコの滞在制作で始めた曲を、オアハカの村の子どもたちの声と南米の夜のレイヴの見立てで仕上げた。記事にある出会いの話と制作の話を並べて引く読みで、アルマン=ドリール自身が二つを結びつけて語ったわけではない。

出典・注

[1] Grant Albert, Polo & Pan Return to Miami Rested and Ready, Miami New Times、2023年11月28日。アルマン=ドリールの言葉(鶏小屋の引用、子どもたちとの録音、ジャングル・レイヴへのオマージュ、滞在制作、マリアッチ、休みとフェスについて)、二人の出会いの経緯、記者の曲の描写、フェスの日付と会場に使った。滞在制作の場所(ロス・カボス)と録音の場所(オアハカ州の町)は記事の書き方のまま並べた。記事はフェスの予告で、当日「Charanga」が演奏されたかは伝わっていない。取材の場所と経緯のうち私的な事情に当たる部分は使っていない。

[2] Apple Music, Charanga, MusicKit(API)の登録値。発売日2023-10-06と、EP『Carrossel Do Tempo - EP』への収録に使った。作曲者の欄はAlexandre Grynszpan & Paul Armand-Delille、名義の欄は「ポロ&パン, Les Poppys & Isaac et Nora」。Les Poppysがどういう名義かは出典で確かめていないので本文では触れなかった。

[3] Juan Ignacio R. Wilkinson, Polo & Pan drop 4-track EP 'Carrossel Do Tempo', Electronic Groove、2023年10月24日。曲の紹介の言葉に使った。Yotam Dov, We Rave You(Polo & Pan release brand new EP 'Carrossel Do Tempo'、2023年10月6日)もほぼ同じ言い回しで紹介しており、発売時の発表文をもとにした紹介と見て、独立の評には数えていない。Electronic Grooveは、EPの編曲と弦の指揮をイタリアの作曲家ダニエレ・ルッピ(Daniele Luppi)とも書く。

[4] Beatport, Charanga, 曲のページの表示。BPM・キー・ジャンル。長さ4:26、発売10/6/23の表示。

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